「フィンランドパパ」のあらすじ
ユリの祖母は、クリスマスイブに、母親が誰なのかは聞くなと言うならずものの息子から、産まれて間もない女の子を渡される。彼女はこの上ないクリスマスプレゼントだと喜び愛を注ぎ、孫娘ユリ(キム・ボラ)をひとりで育ててきた。しかし、ユリの父が亡くなったことをきっかけに認知症が悪化、不慮の事故で亡くなってしまう。ひとりになってしまったユリは、祖母の死を受け入れられず、誰にも会わずに過ごしていた。そんなある日、ソウルの大学に進んだ幼馴染のヨンジュン(キム・ジュノ)が、音信不通のユリに会いにくる。ユリは、ヨンジュンの家で見つけた、祖母が好きだったオーロラのポスターに記されたカフェ「フィンランドパパ」が気になり、そこで働くことになる。一風変わったルールのある、それぞれが傷を抱えた従業員たちと一緒に働くうち、事情があり、会いたくても会えずにいた親友のウヒョン(キム・ウソク/ X1出身・UP10TION)の気配を感じるようになる。
各話あらすじ
- 第1話祖母と二人暮らしだったユリは、突然の事故で祖母を亡くす。祖母を亡くして2週間ほど経った頃、久しぶりに仲の良かったヨンジュンが訪ねてくる。ヨンジュンの家で、卒業アルバムを見ながら、父の死をきっかけに疎遠になっていた仲良し三人組のもうひとり、ウヒョンのことが気になりだす。ヨンジュンの机の上に、いつか見にいくことが祖母の長年の夢だったオーロラのポスターがあるのを見つけ、カフェ「フィンランドパパ」の存在を知る。夕食をスタッフ全員ですることが面接だという、ちょっと変わったカフェ「フィンランドパパ」で働くことになる。
- 第2話「フィンランドパパ」の看板メニューが、祖母のサンタパフェにそっくりなことを不思議に思うユリ。その懐かしさに、知らず知らずに涙ぐむユリに寄り添い、話に耳を傾けるフィンランドパパの家族たち。ユリは誰にも言えなかった思いを打ち明け、祖母や父の話を打ち明ける。聞けば、このカフェには、奇妙なルールが存在し、ボーナスや減給につながるという。心が少し軽くなったユリは、祖母と父とピクニックした日を思い出す。ある朝、父が突拍子なく、弁当を持ってピクニックに出かけようと言い出す。ユリは、祖母、父、ウヒョンとのつかの間の不自然な幸せに不安を抱くが…。
- 第3話「フィンランドパパ」には事情があって家族となったスタッフ4人に、「家族の親睦を深める10ヵ条」があった。その一番目が”夕食はいつも一緒に”だ。さらに、”悲しむ人のそばにいてあげる””話を聞いてあげる”が続く。ギャンブルで身を滅ぼし、家族に会えないカカの、「罪悪感は積もれば隠せなくなる、借金に似ている」という言葉にハッとするユリ。ユリは、自らの経験と重ね、申し訳なくて妻や息子に会いに行けないというカカの背中を押した。カカは、勇気を振り絞り、息子の入院先に向かうが、息子に残されたのはあと2ヶ月ほどの命だと知ることになる。
- 第4話「フィンランドパパ」の社長が誰なのか気になるユリだが、なかなか答えが見つからない。そんなある日、カフェにトトの家族が突然訪ねてくる。18歳で自分を産んで、家を出た母をを許すことができないトト。しかし、初めて会う歳の離れた妹に懐かれ、少しずつ心を開く。「許さない人の方がもっと辛いのかも」という話に、自分を重ね、ユリは複雑な気持ちになる。マリは夫に裏切られ、ハワイに自分探しの旅に出た過去を告白する。4人はお互いの傷を知るうち、いつしか本当の家族のような温かい関係を築いていった。そんなある夜、カカを追う怪しい二人組の男が店にやってくる。
- 第5話怪しい二人の男たちに詰め寄られ、危機一髪のユリのもとに駆けつけてくれたのはヨンジュンだった。店で働くうち、「心に筋肉ができたみたい」と、ユリは料理学校の上級クラスに申込書を出しに行く。カカの招かれざる客の二人組が再び店に乗り込んできて、店は休業することになってしまう。その時間を利用し、社長の提案で、4人はピクニックに出かけることに。その頃ユリは、店のルールの10ヶ条の文字が、ウヒョンの筆跡と同じことを確信する。そして、自分のせいで去ってしまった父にもウヒョンにも、申し訳なくて、恋しくても近づけなかったのだと気づき涙があふれた。
- 第6話(最終話)休業中の「フィンランドパパ」だったが、野良猫に餌をあげることを口実に、気づけば4人が集まっていた。ユリはヨンジュンに、ウヒョンからの手紙を渡される。そこにはなぜカフェを作ったのかが書かれていた。「フィンランドパパ」の4人は、勇気が知恵になって強くなった、と、それぞれ自分のいた場所に戻っていきつつあった。初雪を見ながら皆でサンタパフェを食べながら、「ウヒョンは元気よね?」とヨンジュンにポツリとつぶやくユリだった。そして、クリスマスの夜、ユリがカフェに寄ってみると、ウヒョンが現れるのだった。
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