「被告人(原題)」のあらすじ
ソウル中央地方検察庁のエース検事ジョンウ(チソン)は、どんな不正や悪も見逃さない熱血漢。今日も暴力団のボスを逮捕し、華々しく活躍した。その日、愛娘の誕生日を祝ったあと、幸せな気持ちで眠りについたジョンウ。ところが目を覚ますと、そこは監獄。妻と娘を殺した罪で服役していたのだ。まるで状況が理解できないジョンウ。彼は4ヶ月間の記憶を失っていた。いったいなぜ、彼は殺人犯になったのか――?
遡ること4ヶ月前。チャミョングループの副社長ミノ(オム・ギジュン)は殺人未遂の罪でジョンウに追われていた。双子の兄ソノ(オム・ギジュン2役)に自首をすすめられたミノは、ソノを殺害。自分が自殺したように見せかけ、ソノに成りすましていた。偽装工作を見破ったジョンウは、ミノを逮捕する寸前だったのだが……。
各話あらすじ
- 第2話殺人未遂の疑いをかけられ、ジョンウに捜査を受けていたチャミョングループの次男ミノ。ジョンウはミノが自殺し瀕死の状態で病院に運ばれたと聞き病院に駆けつける。ジョンウはミノが一瞬だけ意識を取り戻した時、「ミノ…」という言葉を発したことに驚く。それ以外にもホテルの職員がすれ違った時に酒臭かったと証言したのに対し、病院に運ばれたミノからアルコールは検出されなかったことがジョンウの頭を駆け巡る。ミノが死亡したとの知らせを受けたチャ会長が病院に訪れると、ソノになりすましたミノはすぐさま駆けつけて挨拶する。チャ会長は神妙な面持ちながらも悲しむこともなく、ソノのためにはミノが死んで良かった、いなかったものと思えばいいと冷たく言い放つ。会長にはバレず難を逃れたミノは胸をなで下ろすものの、認知症で入院中の母親はミノだと言い張る。
- 第1話敏腕検事で名高いジョンウは、単身で暴力団のボスの葬儀に乗り込む。そこに大勢の部下を引き連れた組織のナンバーツー、シン・チョルスがやってくる。チョルスは目障りな検事を部下を使って追い払おうとするが、ジョンウはチョルスがボスを殺した証拠の音声ファイルを流して難を逃れる。ボスの殺害容疑でそのまま収監されるチョルス。またしても危険なやり方で容疑者を逮捕したジョンウ。そしてそんなジョンウを心配する捜査官ドンユンの小言も、ジョンウは鼻で笑い飛ばしてしまう。実力のあるジョンウをスカウトに来る弁護士事務所は後を絶たず、今日も高額の契約書を抱えた弁護士が訪ねてきている。ジョンウが電話で妻のジスにお伺いを立てると、ジスは検事のジョンウが一番魅力的だと言って一蹴する。ジョンウのスカウトに失敗したと電話をかける弁護士。その男の電話を受け取ったのは、チャミョングループの代表理事チャ・ソノだった。
- 第3話ジョンウが逮捕されることになったウォルハ洞殺人事件発生の数日前、検察次長の部屋ではチャミョングループを追うジョンウのことが話題になっている。上司の言うことを聞かぬジョンウに手を焼いて不平をこぼす次長。そして困った面持ちで話を聞いているチェ部長。ちょうどそこにジョンウが逮捕令状を持ち、チャミョンのチャ代表を捕まえに向かっているという報告が上がり大騒ぎに。一方、顧客と一緒に工場を視察中のミノに、指紋確認のためにジョンウが向かっているという連絡がいき、危険を察したミノは視察中の工場の中に逃げ込む。ミノを見つけたジョンウは、ソノの指紋が添付された身分証明書を持ちミノに詰め寄る。窮地に立たされたミノは…
- 第4話妻を殺害した容疑で逮捕されたジョンウ。しかしジョンウには事件当時の記憶が全くない。
断片的に少しずつ記憶を取り戻したと思いきや、また記憶を失うことを繰り返す。状況が分からずもがき苦しむジョンウ。担当の国選弁護士にまでさじを投げられるが、なってしまうが、そんなジョンウの状況を知り、唯一名乗り出たのは法廷で連敗していたウネだった。刑務所の囚人たちは今日も花札で賭け事をしている。そこに刑務所所長の命令でやってきた看守たちは、ジョンウの荷物からたばこのケースを見つけ、強引にジョンウを独房に放り込む。ミノは刑務所所長にジョンウが記憶を失った状態で法廷に立つようにしてほしいと頼む。裁判の準備ができず焦るジョンウの前に現れたのは、刑務所の看守として派遣されていた妻ジスの弟テスだった。
- 第5話事件当日、ジョンウが眠った後、ハヨンの誕生日プレゼントを持ち真夜中にジョンウを訪ねたジュニョク。先輩のジュヒョクを快く迎え入れたジスは、ジョンウを起こそうとするが、ジュニョクはジスをとがめる。ハヨンのプレゼントには録音機能がついていたため、ジュニョクはハヨンへのメッセージを録音する。ジョンウには翌年ニューヨークの国連勤務の辞令が出ていたため、ニューヨークに遊びに来てほしいと名残惜しそうに話すジス。事件はその後発生し、証拠物が次々と警察に運ばれる中、ジュニョクのプレゼントも含まれていた。ニューヨーク行きを条件に事件の担当を任されたジュニョクは、そこに自分の声が録音されたおもちゃがあることを思いだし、何とかそれをもみ消そうと躍起になる。
- 第6話ジュニョクに頼んでジスの葬儀に向かうジョンウ。ジョンウはジスの遺影の前でも、抜け殻のようになっているジスの母親の前でも、ただひたすら申し訳なかったとしか言えない。そしてジョンウは必ずハヨンを捜し出すとジスに近い葬儀場から出ようとするが、ジョンウを見つけたジスの弟テスはジョンウに殴りかかる。そんな最中、ジスの母親はジョンウからこっそり手渡されたメモを見て物思いにふけっている。メモの内容は「家の中を絶対に片づけないでほしい」というジョンウの切実な頼みであった。
ハヨンが運び出されたと見られるスーツケースが見つかったとの情報を受け、現場に向かったジュヒョクは、空のスーツケースを見てがっかりする。一方、スーツケースを見つけたテスは、ジョンウの所に行きハヨンの居場所を問い詰めるが、ジョンウは自分が話した場所にスーツケースがあったことに逆に驚く。
- 第7話裁判で死刑宣告を受けたジョンウ。その反対に同じ日、ジョンウのアドバイスを受けて弁護士なしで法廷に立ったソンギュは裁判を有利に運び、500万ウォンの罰金のみで釈放されることになる。死刑判決を受けたジョンウは絶望し、刑務所で自殺を図ろうとするが、その様子を見ていたソンギュが犯人はジョンウではなく自分だと打ち明ける。驚いたジョンウはソンギュに詰め寄るが、夜中に興奮して騒ぎ立てたため、再び独房に閉じ込められる。一方、ソンギュがジョンウと同じ刑務所の同じ部屋にいたことを知ったチャ・ソノは、釈放後、行方不明になったソンギュにいらだちを募らせる。ジョンウは独房で所長の電話の着信音を聞いて、逮捕されて自白した時の様子を思い出す。
- 第8話面会に来たソンギュの様子を見たジョンウは、ソンギュがハヨンを連れていることに気づく。逃げるように立ち去るソンギュに向かって叫ぶジョンウ。看守のテスはジョンウが、いくらハヨンがいると話しても取り合わない。一方、ジョンウの弁護士ウネはジョンウから話を聞き、ソンギュの行方を追う。ウネが自分と同じようにソンギュを追っていることを知ったミノは、ジョンウが気づいたのではないかと疑う。ジョンウはジスが死んだ日のことを思い出す。リビングで刺されて倒れているジスを見つけた時、ジスはハヨンがいなくなったとだけ話して目をつぶってしまったことを思い出す。精神科医のソナはベッドで暴れ回るジョンウを落ち着かせる。そしてよみがえった記憶の内容がどんなものかを確かめる。
- 第9話事件当日、ジョンウが眠りについた後、ハヨンを連れ出し、ジスを刺し殺したミノ。そしてジョンウを起こしたミノはハヨンを人質にして、ジスを殺した罪を着せてジョンウを犯人に仕立て上げたのだった。事件の全容を思い出したジョンウは、自分の記憶が戻ったと知れば、ミノがハヨンを殺しにかかるだろうと考えて裁判の上告を放棄する。死刑が確定したジョンウの前に、ジュニョクに頼み込み警察に身柄を拘束させたチャ・ミノが現れる。ジョンウの記憶が本当に戻っていないかを確かめにわざわざ刑務所にまでやってきたミノ。ジョンウはミノの手口に乗せられないように、ひたすら記憶が戻っていないふりをする。ミノはジョンウと共に生活しながらジョンウをずっと観察する。
- 第10話ウォルジョン刑務所に連れ戻されたジョンウは、バスを降りるとそのまま屋上に連れて行かれる。そこにはチャ・ミノが待ち受けていた。ミノはジョンウの前にひざまずき、自分がチャ・ミノであることを知るのはジョンウしかいない、どうか見て見ぬふりをしてほしいと訴えるが、すぐに立ち上がると、ジスとハヨンが犠牲になったのは、ミノを見過ごさなかったジョンウのせいだと話す。開き直るミノに怒りを爆発させるジョンウにミノは追い打ちをかけるように、どちらが早くハヨンを捜すか競争をしようと話を持ちかける。ミノの様子から、ソンギュがハヨンを連れていることに気づいたジョンウは、早く刑務所から出てソンギュを捜さなければならないと決心する。