「芙蓉閣の女たち~新妓生伝」のあらすじ
物静かな性格ながら、誰をも引きつける美貌を持つタン・サラン。ある日、サランは高級料亭、芙蓉閣からスカウトを受けた。芙蓉閣は、美と教養を兼ね備えた妓生のみを抱えることで誉れ高い、韓国唯一の料亭。最初は妓生へのイメージがサランを思いとどまらせていたものの、恋人で大企業の御曹司タモとの別れで心が動く。同じ頃、継母がサランの出生の秘密を明らかにし衝撃を受ける。これで自身の運命を悟ったサランは、妓生として生きることを決意し芙蓉閣の座敷に上がった。一方、サランを忘れられないタモは、彼女が妓生であることに心を痛め、今すぐ辞めて結婚しようと説得をする。サランの心は揺れるが、タモとの身分の差という現実、そして運命を受け入れて歩み始めた妓生の道。涙をのんで拒み続ける。ある日、タモの情熱的な求愛に心の葛藤が最高潮に達したサランは一大決心をする。それはタモと一生共に生きることができない選択だった…。
各話あらすじ
- 第1話
古典舞踊専攻のタン・サランは、ウンソン流通の会長宅でアルバイトとして古典舞踊を披露する。そこで出会ったのが、一人息子のア・ダモだった。
ダモはサランの美しさに目を奪われる。
同じ専攻の仲良し4人組で喫茶店に行ったサランは、妓生料亭の常務から、舞踊の指導役にスカウトされる。
だがサランは、水商売の店に出入りする気にはなれない。
同じ頃、サランの継母ファジャは、娘たちには内緒で芙蓉閣の厨房補助の求人に応募した。
ダモは友達と合コンを兼ねたスキー旅行に出発する。
ペットを偏愛している父から犬のアンドレも連れていくよう命じられ、しぶしぶ連れて出たのだが・・・。
- 第2話
スキー場での合コンで、思いがけず再会したア・ダモとタン・サラン。
だが、サランの級友クム・ララがダモに一目ぼれし、女性陣は縁結びに協力させられる。
合コンの翌朝、ララの金歯が取れたため女性陣はスキーもできぬまま、4人ともソウルに帰ることになった。
携帯番号の交換すらできずに終わり、男女とも落胆する。
ダモは父親の愛犬アンドレを、スキー場に向かう途中で父の会社ウンソン流通に預けてきてしまった。
激怒した父親は、社員でもあるダモに、建設中の地方支店の工事を住み込みで手伝うよう命じる。
- 第3話
タン・サラン一家は、団地に引っ越した。
偶然、その上の階にア・ダモの友人が住んでいたため、ダモはサランの家が裕福ではないことを知る。
地方支店の工事を手伝わされていたダモは、1ヶ月ほどでソウルに呼び戻された。
クム・ララの家へ遊びに行ったサランたちは、ララの祖父と一緒にゲームを楽しむ。
祖父は、ララが若い頃の妻にそっくりだと驚くのだった。
以前、芙蓉閣で踊りを教えてくれと頼まれたサラン。
引き受ける気はなかったが、ララたちが妓生料亭を見てみたいとせがんだため、友人3人を連れて面接に行くことに。
芙蓉閣の厨房長ハン・スンドクは、わが娘(と信じている)ララの姿を見て驚く。
- 第4話
芙蓉閣へ面接に来たタン・サランを見て、継母のファジャは驚く。
芙蓉閣側は、サランを妓生として迎えたがるがサランは断る。
チョン道士が芙蓉閣を訪ねてきた。
厨房長スンドクを見た彼は、「母の情にあふれており、じきに幸運が訪れる」とマダムに告げる。
スンドクの過去を知らないマダムは道士の言葉を聞き流せず、休日をスンドクと過ごすことにする。
ララに誘われて乗馬クラブに行ったサランは、ダモに会う。
巧みに馬を操るダモの姿に心奪われるが、ララに遠慮して先に帰宅した。
一方ララは、乗馬後にデートに誘ってもらえず落胆する。
- 第5話
ア・ダモの無関心に傷ついたクム・ララは、親の勧めるまま見合いをすることにした。
ララの育ての母、ジュヒは夫にも内緒で芙蓉閣を訪れた。
表には出していないが、ジュヒは芙蓉閣のオーナーなのだ。
ジュヒは、自分が水商売に関係しているとクム家のイメージが悪くなるからと、芙蓉閣を3年で閉めるようマダムに要求する。
タン・サランは、ア・ダモに誘われデートに出かける。
ところが、食事のあとダモがラブホテルに行こうとしたため、サランは失望し激怒する。
- 第6話
芙蓉閣のマダムは、店のオーナーであるジュヒから廃業を迫られたことを、厨房長スンドクに話す。
そして長年片想いしてきた相手がジュヒの夫、クム院長であることも打ち明けた。
親の勧めで見合いをしたア・ダモは、相手がクム・ララと知って驚く。
両家の親もララも乗り気だったが、ダモだけは交際を始める気になれないのだった。
ララの見合い相手がダモだったと知ったタン・サランは、家の格の違いを痛感し身を引くことを決意する。
ダモはラブホテルの件で許しを請うが、サランは冷たくあしらう。
マダムはクム院長を呼び出し、彼の妻から廃業を迫られていることを告げ、ジュヒの説得を依頼した。
- 第7話
見合いの席でクム・ララに再会したア・ダモ。
後日、ララを呼び出して「君が僕をふったことにしてほしい」と別れを切り出す。
ダモは、妻や息子に冷たくペットばかりをかわいがる父に苦言を呈する。
だが怒った父は逆にダモを、自らが経営する会社から解雇してしまう。
ダモはタン・サランとの仲を修復するため立派な花かごを贈るが、ララとの二股を疑ったサランは送り返す。
だが、それが誤解と分かり、2人はカフェで話し合う。
その席でダモは、「淡い恋をしよう」と提案したのだった。
- 第8話
ア・ダモとタン・サランは、「プラトニックな淡い恋」を始めることで合意する。
クム・ララの生みの母、ジュヒは、義父シジョが作成した遺言書に自分たちの取り分がないことを知り、抗議する。
「ララに出生の秘密をバラして連れ帰る」を脅し文句に、遺言書の破棄を約束させた。
ララの父クム・オサンは、妻ジュヒを連れて芙蓉閣へ行く。
オサンはマダムとの打ち合わせどおり、ジュヒが芙蓉閣の廃業を迫っている件をその場で初めて知ったふりをする。
そして妻をいさめたのだった。
トイレに立ったオサンは、厨房長スンドクと鉢合わせした。
結婚前の若き医師時代に、辺境の小さな島で出会い、一夜の契りを結んで以来の再会だった。
- 第9話
芙蓉閣で厨房長ハン・スンドクと再会したクム・オサン。
互いの来し方を話すうちに、驚きの真実が明らかになる。
スンドクは、オサンとの間に出来た赤ん坊を彼の家の前に置き去りにしたのだが、その子がララとして育てられたと思い込んでいた。
だが、その赤ん坊は当時の家政婦に引き取られたのだった。
自分の子とは思いもしなかったオサンは慌てたが、今となっては、その家政婦の名前も居場所も分からず途方に暮れる。
タン・サランとア・ダモはデートを楽しむが、父親との確執について説教されたダモがサランに悪態をつき、彼女を怒らせてしまう。
- 第10話
タン・サランはア・ダモ家の別荘に遊びに行き、手料理をふるまう。
その美味しさに、ダモはサランへの想いを強くした。
サランもまた、ダモが父親の愛に飢えて育ったことを知り、愛おしさを感じる。
厨房長ハン・スンドクと直接会って孫の件を確認したオサンの両親は、赤ん坊を引き取った家政婦を捜すため知恵を絞る。
オサンの妻ジュヒに疑われないよう人捜しの新聞広告を出すために、オサンの父シジョは認知症のふりをすることにした。