妻を殺した犯人に復讐を誓う天才外科医
深夜の病院を舞台に人々の思惑が交錯する

登場人物

ホ・ジュン 役／ユン・テヨン

韓国最高の医大を首席合格した秀才。判断力や瞬発力が優れていて、生まれつき器用な彼。



優しさと知性にあふれるおとなしそうなイメージだが、たくましい筋肉には傷跡が多く、繊細な手を持っていながらも、こぶしは強く並々ならぬ雰囲気を醸し出す。飄々とした話しぶりで、一見女と金に目がないダメ医者のイメージを持つ。

相手の心をつかむ魅力の持ち主であり、法を犯して暴力を使ってでも自分の志を成し遂げないと気が済まない男。とにかく行動に移すタイプだ。手術から得る快感を誰よりも楽しむ、天性のトップクラスの肝臓移植外科医であった。しかし、最愛の妻を失ってから、すべてが変わった。数年前、自分の目の前で暴漢によって無残に殺害された妻。事件が迷宮入りして夫である彼が容疑者となったが、裁判の末にようやく無罪放免となった。実際に妻が刃物で刺されたのは見たが、暴漢の襲撃で気絶したため、犯人の顔は見られなかった。偶然、犯人の攻撃がプロの格闘技選手だけに可能な技であることを知り、格闘技が行われる全国の体育館や合法、不法問わず数々の競技場を回った。腕による技を犯人だけが右手を使って行うことを知り、その特別な技を使う人間を探すために自ら選手になった。その日暮らしが続くと、どん底生活での生き残り方も身につき、時には残忍に、時には卑怯になったりすることもある。しかし、天性の外科医であるがゆえ、瀕死の患者を見れば後先を考えず治療を始め、時には規則を破っても命を救おうとする。世の中や人、愛を絶対に信じず、徹底して一人で行動する孤独で利己的な一匹狼。こぶしと己のみを信じる。夜は全く眠れない不眠症患者でもある。

ホン・ナギョン 役／リュ・ヒョンギョン

明朗快活、すべてにおいて前向きで勇敢だ。義理堅く、粘り強く、負けん気も強い賢い女性。



幼い頃に両親と死別し、なんとか地方の高校を卒業後、医者になることを決心し、遅咲きの医大合格を果たした。

もちろん地方の名もない大学、しかも最後の補欠合格者。名実共にその年の韓国内の医大における最下位合格者であった。

女であること、若くないこと、そんなハンディキャップをなんとか克服し、卒業後は志願者数が足りないソウルの2流病院で外科専門医として働いていたが、病院長の親戚の子供を死に至らせた医療事故を起こして追い出される。

1年間病院に就職できず遊んでいた時、突然紫外線アレルギーを患い昼間は動くことができなくなる。

血を見るだけでエンドルフィンが噴出する天性の外科医だが、最近は血から遠ざかった生活で退屈な毎日だ。

ユン・サンホ 役／ユ・ヨンソク

物静かで鋭い。男らしく、口も堅く慎重だが、いざというときは頼りになる。



高校を中退した不良で、絶望から転々とした生活を送っていたが、ク・ドンマンの目に留まりボディーガードになる。新たな生活を送る機会をくれたドンマンを父のように慕っている。乱暴なチンピラだが、根は純情な青年だ。

グ・ドンマン 役／チェ・ジョンウ

1975年のサボイホテル襲撃事件当時、17才という最年少で暴行集団に加わり、兄貴分たちを殴り倒した伝説の持ち主。



当時ソウルの秀才が多く通うキョンギ高校の学生だったが、一目ぼれした女子学生との縁で人生につまずき、やくざの道に入ったという伝説も持っている。江南（カンナム）に、ゲームセンター、サウナ、クラブ、飲み屋、ゴルフ場など、すべて持っていながら、政治家との関係もなく、大規模事業にも手を出さないが、現金は腐るほどある相当な金持ちだ。これまで金と組織のためには手段を選ばなかった。そのため、へつらう仲間も多く、苦々しく思う敵も多いと言う。毎晩、歓楽街がにぎわい始める頃、手下たちを率いて街を回るが、そのカリスマは格別だ。羽振りのよかった3年前に肝不全の診断を受け、死が現実のものとなってはじめて悟りを開き、悪いことからは足を洗い、今は商売だけに集中している。