「恋人(原題)」のあらすじ

1636年の春、成均館の儒生たちの熱い視線を集める容姿端麗で世間知らずな両班の娘ギルチェ(アン・ウンジン)は、片思いのヨンジュン(イ・ハクジュ)が、親友ウネ(イ・ダイン)と婚約していて想いが届かず、やきもきする日々を送っていた。花摘み行事の日、ヌングン里にジャンヒョン(ナムグン・ミン)という謎の男が現れる。ギルチェはヨンジュンの気を引こうとブランコ作戦を決行するが、チマ(スカート)の裾から見えるギルチェの足につられて男たちが群がるも、肝心のヨンジュンは無関心な様子。悔しがるギルチェがブランコを大きく揺らし、バランスを崩したところ、ジャンヒョンが落下するギルチェを抱きとめたのだった。お高くとまっているが、実はいじらしいギルチェに惹かれたジャンヒョンは、それから何かとギルチェを構うが相手にされず。ある日、清の軍隊が国境を越えて、朝鮮の首都・漢陽の近くまで押し寄せて来たという知らせが届き…。

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各話あらすじ

第1話1636年(仁祖14年)、首都漢陽から離れた平和な村ヌングン里。両班の娘ユ・ギルチェは、運命の人との出会いを夢見るお転婆な少女だ。彼女が思いを寄せる成均館の儒生ナム・ヨンジュンは、ギルチェの友人キョン・ウネのことを好きなようだ。花摘みの祭りコッタリムの日、その美貌で男たちの視線を釘付けにするギルチェだが…。祭りに現れた謎の男イ・ジャンヒョンは、明国に味方し後金を討てと騒ぐ男たちを、皮肉な口調でからかい始める。
第2話ヨンジュンの気を引くため鞦韆(ブランコ)に乗るギルチェ。バランスを崩して鞦韆から落ちたギルチョを抱きとめたのは、ジャンヒョンだった。礼も言わず素っ気ない態度のギルチェに、ジャンヒョンはあきれる。村の書院に入るつもりのジャンヒョンは、カネで入学を果たそうとするが…。ギルチェはヨンジュンの気持ちを確かめるが、ウネには自分しかいないと言われショックを受ける。ギルチェはジャンヒョンに恋のアドバイスを求める。
第3話冬、凍り付いた川を越え後金(清)の軍隊が怒涛のように侵入してくる。漢陽は陥落、国王仁祖は江華島に逃れる時間もなく南漢山城へ籠城する。ヌングン里では、ヨンジュンが義兵を募るがジャンヒョンは断る。ジャンヒョンは、優れた兵士である後金に儒生ごときが勝てるはずがないと言い、ギルチェに逃げることを進めるが…。ヨンジュンが出征前に、ウネと婚礼を上げると聞いたギルチェは、なんとかヨンジュンを振り向かせようと…。
第4話ヨンジュンが加わった軍は後金軍の奇襲を受けて壊滅、ヨンジュンは辛うじて生き延びる。南漢山城では糧食が尽きかけていた。一方、山上から後金軍を見張っていたジャンヒョンは蹄の音を聞く。ギルチェは山上から立ち昇る狼煙(のろし)を見る。ジャンヒョンが避難の合図として上げたのだ。後金軍が襲い掛かり村人たちは逃げ惑う。逃げ遅れたギルチェとウネは雪の山道を逃亡するが、後金の兵士たちは執拗に彼女たちを追いつめ…。
第5話後金の兵士に襲われるギルチェとウネたちを救ったのは、ジャンヒョンだった。ギルチェは思わず、「旦那様!」と叫ぶ…。ギルチェたちと別れたジャンヒョンは、敗残のヨンジュンと出会う。ウネのもとへ行けと言うジャンヒョンに、ヨンジュンは王のもとへ向かうと答える。光教山にいる朝鮮軍に合流するジャンヒョンとヨンジュンたちだが、そこにまたも後金軍が襲いかかる。一方、ギルチェとウネもヨンジュンのいる光教山へと向かった。
第6話清国皇帝を称するホンタイジが朝鮮に来ているとの情報が入る。世子の命でジャンヒョンと、彼を兄のように慕う歌い手のリャンウムは、後金軍の陣営に潜入する。リャンウムの歌がホンタイジの耳に留まり御前に呼ばれるが、将軍イングルダイに怪しまれ拷問を受ける。ジャンヒョンからの知らせで清軍の強大さを知り、仁祖は和議を決意するが城から出ることは拒否する。その頃、後金軍の陣営に異変が起こっていることにジャンヒョンは気づくが…。
第7話後金軍は、ギルチェが避難した江華島へも攻め寄せる。後金軍の陣営では天然痘が蔓延していた。ホンタイジが皇帝へ就任したことへの天の怒りだと恐れる後金軍。ジャンヒョンは和平派の大臣に、これを利用すれば、王が城を出ても命を奪われない保障を得られると語る…。戦争は終わった。ギルチェたちは村に戻るが、ウネの父は後金軍に殺され、ギルチェの父は精神を病んでいた。一方、ギルチェを救いに江華島に渡ったジャンヒョンは…。
第8話人質として清国の首都瀋陽に送られる昭顕世子に、ジャンヒョンは付き従うことに。ギルチェは見送りにやってくるが、いざジャンヒョンと会うと、正直に自分の気持ちを伝えられない。瀋陽に到着した世子は、ことあるごとにホンタイジに圧迫され涙を流す。一方ジャンヒョンは、高麗人参やタバコの取引に、通訳官の立場を利用して関わり利益を上げていた。清の皇族とも関係を持ったジャンヒョンの噂を聞き、イングルダイが会いに来るが…。
第9話捕らえられたジャンヒョンは間者の疑いをかけられるが、逃亡した朝鮮の捕虜を捕らえることを条件に釈放される。一方、ギルチェは世話になった従事官のク・ウォンムが経営する鍛冶場に、銅銭を材料として持ち込み真鍮の器を作らせ販売する。ジャンヒョンは同胞である朝鮮人の捕虜を捕らえ将軍を接待する。だが心楽しまず、目にはギルチェの姿が浮かぶ。ジャンヒョンは世子に、清に屈服させられても、現実を直視して大胆に生き延びる道を探せと語る。
第10話ジャンヒョンが死んだと思っているギルチェは、ウォンムの求愛を受け入れる。ジャンヒョンは、帰国する世子に従って朝鮮に戻る。ギルチェと会うのを楽しみに家に向かったジャンヒョンが見たのは、ギルチェの婚礼の宴だった。「男なしでは生きられないのか?」と問うジャンヒョンに、ギルチェはそうだと答える。ギルチェはリャンウムから、ジャンヒョンの死を聞いていた。リャンウムはジャンヒョンに、あの女はお前を不幸にすると言うが…。

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