「師任堂(サイムダン)、色の日記<完全版>」のあらすじ
大学で韓国美術史の非常勤講師を務めるジユン(イ・ヨンエ)は世紀の発見と言われる絵画「金剛山図」の発表を任せられるが、ジユンの一言から偽作疑惑が持ち上がってしまう。そんな中、ジユンは教授就任をかけた重要な学会に出席するためイタリアに向かい、そこで偶然古い日記を手に入れる。本に押された印を手掛かりにある古城を訪れると、そこには自分そっくりの女性が描かれた「美人図」があった。美人図と日記を持ち帰る研究を進めるジユン。日記には2人の芸術家サイムダン(イ・ヨンエ/二役)とイ・ギョム(ソン・スンホン)の切ない愛の記録が記されていた。そして日記を読み進めるうちに、金剛山図の真作に関する秘密も記されていて…。
各話あらすじ
- 第1話 世紀の大発見「金剛山図」大学で美術史の非常勤講師をしているソ・ジユンは教授任命を目前に控え、充実した毎日を送っていた。ところが世紀の大発見といわれる「金剛山図」の真偽を巡って、指導教授ミン・ジョンハクの怒りを買ってしまう。さらに投資会社を経営する夫が仕事のトラブルに巻き込まれて失踪。気を取り直してイタリアの学会に出向いたジユンだが、ミン教授から冷たく突き放されてしまう。失意の中、ジユンはイタリアで偶然古い日記と美人図を手に入れる。
- 第2話 名画が結ぶ初恋ジユンはミン教授の手回しで大学を解雇されてしまう。イタリアで偶然入手した漢文の日記に“金剛山図”と書かれていたことを思い出した彼女は中央博物館に勤める親友ヘジョンを訪ねる。――時は変わり1520年、朝鮮。好奇心旺盛な少女シン・サイムダンは「金剛山図」を一目見ようと絵を所有する家に忍び込むが、そこに住む王族、宜城君イ・ギョムに見つかってしまう。サイムダンに一目ぼれしたギョムは「金剛山図」を携えて彼女の元に赴くが…。
- 第3話 隠された秘密事故で気を失ったジユン。夫の声に目を覚ました彼女は、今見たリアルな朝鮮時代の夢に呆然とする。それは日記の冒頭部分そっくりだった。日記に金剛山図の謎が隠されていると確信したジユンは漢文の読める後輩サンヒョンの助けを借りて解読を進める。一方、朝鮮時代。ギョムの結婚話を知った王・中宗は湯治のついでにギョムのもとに立ち寄る。そこでサイムダンの父が失脚した士林派のシン・ミョンファと知り、彼に詩を贈ることにするが…。
- 第4話 雲平寺の惨劇紙商いの独占を狙う平昌の県令ミン・チヒョンは領議政を抱き込み、高麗紙を作る雲平寺に金儲けを持ちかける。同行していた領議政の息子は、そこである絵に書かれた詩を見て錯乱、絵を持っていた流民の子を殺してしまう。ミンはその場の混乱を収めるため、皆殺しを命令。一部始終を草陰から見ていたサイムダンは絵と詩を描いたのは自分だと名乗り出ようとするが、旅籠の娘ソクスンに止められる。その場から逃げ出した二人は途中で崖から転落してしまう。
- 第5話 引き裂かれた二人サイムダンが絵に添えた王・中宗の詩は思わぬ波紋を呼ぶ。政争を恐れた中宗は詩を贈った元官僚たちを始末し、ギョムとサイムダンを別れさせろと命令。事情を知ったサイムダンは涙ながらに彼女を慕うイ・ウォンスと婚礼を挙げる。ギョムは自分が知らない間にサイムダンが他の男と婚礼を挙げたことを知り、ただ茫然とする他なかった。20年後、サイムダン一家は都・漢陽へと引っ越すことになり、ギョムもまた失意の放浪生活を終えて漢陽へやってきていた…。
- 第6話 楽しく暮らすために夫ウォンスが騙され、寿進坊のあばら家に住まいを決めたサイムダン。それを知ったギョムは居ても立っても居られず、サイムダンの前に現れ、貧しい暮らしをなじる。しかしサイムダンはむしろ無為に生きるギョムが悲しかった。子どもたちと住みやすい家を作り上げていくサイムダン。そんな彼女を遠くから見つめるギョム。数日後、サイムダンのもとにギョムから絵が届く。その絵の昔と同じ生き生きとした筆遣いに思わず涙ぐむサイムダンだった…。
- 第7話 芸術の殿堂「比翼堂」日記の復元作業をしているところに現れたミン教授はジユンに探りを入れる。そして夫ミンソクは自分を陥れた証拠を突き止めるため、ソン・ギャラリーに忍び込むが…。一方、朝鮮時代。復活したギョムの絵が評判となり、中宗は朝鮮の芸術振興をギョムに任せることに。手狭な安国坊から寿進坊の屋敷に移ったギョムはその場所を「比翼堂」と名付け、芸術家たちの殿堂とする。そんな中、都で強大な権力者となっていたミン・チヒョンはギョムの過去を探らせる…。
- 第8話 甦る記憶都でチヒョンを見かけたサイムダンは雲平寺の記憶に恐れおののく。彼女はチヒョンに気を付けるよう、匿名でギョムに手紙を送る。一方、チヒョンの悪事を暴くよう中宗からも密命を受けていたギョムは彼が営む紙問屋を探っていた。その頃、貧しさ故に学堂に通えないサイムダンの次男ヒョルリョンの才能を惜しんだペク講師がサイムダンを訪ねていた。だがチヒョンの妻、フィウムダン率いる学堂の保護者会「姉母会」はペク講師のそんな行動に敵意を露わにしていた。
- 第9話 中部学堂入学学堂に入学するため、ヒョルリョンは富豪の息子テリョンと対決することに。チヒョンからテリョンを必ず入学させるよう命じられたフィウムダンは事前に問題を入手するが、それがギョムにばれてしまう。だが、ギョムの妙案によって二人とも入学が許可される。この采配に不満を抱く姉母会から、ギョムの支援で入学できたと聞かされたサイムダンは特別扱いを辞退するが…。一方、現代。ジユンは姑と息子ウンスに大学を解雇されたことを知られてしまい…。
- 第10話 因縁の再会近くに楮(ルビ・こうぞ)の森があるのを見つけ、紙作りを始めるサイムダン。その頃、学堂ではギョムの型破りな指導法が物議を醸していた。一方、ギョムの舎弟イム・コッチョンは、チヒョンの店をフィウムダンが支配していることや、彼女が正室ではないことを突き止める。サイムダンを陥れたいフィウムダンは親子詩画展を思いつき、比翼堂で開催できるようギョムに申し入れる。こうしてサイムダン、ギョム、フィウムダンの3人が一堂に会する…!