「華政(ファジョン)」のあらすじ
各話あらすじ
- 第1話
時は壬辰倭乱で混乱した宣祖の時代。
ある日、使臣団の宿営地に近くで見つかったという謎のミイラが運び込まれる。
不吉な予感に包まれるイ・ドクヒョンとイ・ハンボク。
一方、宮殿では光海君の世子冊封が明から再び拒否され、世継ぎを決められない宣祖は嘆く。
光海君が嫡流でないことをなじり、いら立ちで声を荒げる宣祖の前でひたすら堪え忍ぶ光海君。
張り詰めた空気が宮殿を覆おう中、それを破ったのは貞明王女だった。
王女のあまりの愛くるしさに腹を立てていた宣祖も笑いだし、一瞬にして宮殿は明るいムードに一変する。
王妃は幼い王女が光海君を“兄上”と呼ぶのをたしなめるが、王女の明るさに助けられた光海君は王女をかばう。
旧正月後の満月の夜、テボルムの宴で、宣祖は“廃仮立真”を詩題として臣下たちの腹の底を探ろうとするのだが……。
- 第2話
朝鮮の将来を暗示する予言の凶書を見たイ・ドクヒョンは、ミイラが身につけていた腕輪を見て幼い頃に思いを巡らせる。
一方、臣下イ・イチョムと王様付きの尚宮キム・ゲシの長期にわたる毒盛りが効いたのか、宣祖はある日突然崩御する。
宣祖の最期を見守る光海君と王妃、そして幼い貞明王女と永昌王子。
次々と王族が宮殿を訪れる中、宣祖に疎まれていた光海君の兄臨海君は、自分の存在を知らしめるために大きな声で大げさに泣き崩れる。
世継ぎを決めないまま宣祖が崩御したことにより、朝廷では水面下の動きが活発になる。
すでに永昌王子が刺客に狙われたことを王妃に伝える父延興府院君。2人は世子である光海君の仕業だと疑うが、王妃の手に御璽と教旨がある限り光海君は王位に就けない。
王妃は嫡流の永昌王子をどんなことをしても守ると決心する。
- 第3話
貞明王女が持っていた腕輪を見た仁穆大妃は、腕輪の持ち主である南師古の予言にうなされて目を覚ます。
お腹の子を守れという予言を思い出し不安に駆られる仁穆大妃。
朝廷では壬辰倭乱の教訓で女真族に対抗して遷都すべきだと主張する光海君に反対する臣下たちが朝会を欠席、宴会まで拒否したために光海君の怒りを買う。
腹を立てる光海君にそれでも諦めず臣下たちと相談しながら政を行うよう進言するイ・ドクヒョン。
しかし光海君は世子の時代から自分を認めなかった西人が多くを占める朝廷で、自分の後ろ盾となる北人勢力が思いどおりに事を運べずいら立ちを覚える。
一方、引っかかった凧を取るために木に登った貞明王女は、塀の向こうで行われているテボルムの祭りを夢中で見ている。
そんな中、馬上で書物を読むホン・ジュウォンを新鮮な眼差しで見つめる。
- 第4話
キム・ゲシに頼まれた物を元尚宮から受け取った内人は、それを宣祖の最初の王妃であった懿仁王后の墓に埋めたことを報告する。
ゲシは内人をねぎらい温かい清酒を与えて飲ませながら、自分が6歳の時に尚宮として宮殿に5両で売られたことを話す。
一介の宮女としてそして書庫で世子と出会ったことを話す。
清酒の毒が回り苦しみながら息を引き取った内人とともに家を燃やすゲシ。
同じ頃、宮殿では大妃の命令により貞明王女の夫を決める?馬選びが始まっていた。
事前に提案を受けていたホン・ヨンとカン・ジュソンは、いずれも大妃の意志に従いどちらかの息子を?馬にする覚悟する。
カン・ジュンソンから話を聞いたイ・ドクヒョンは山城に出向き、荷車から火薬の成分である硫黄を見つける。
ドクヒョンは光海君が国を守るために、秘密裏に武器と火薬の製造を行ってきたことろ知って驚く。
- 第5話
永昌が宮殿を追われたあと、残された片方の靴を持ち悲しみに暮れる貞明王女。
宮殿では大臣たちが集まり王子を再び宮殿に戻してほしいと申し入れをする。
しかし光海君はその意見に耳を貸さず、むしろ意見を述べた忠臣たちの官職を剥奪し追放することを命じる。
雨の降る中、土下座したまま永昌を帰してほしいと涙ながらに訴える貞明。
だが光海君は心を鬼にしてその訴えを退ける。
思いどおりに事が運び意気揚々としている大北派の大臣たちは、白昼堂々と執務室に酒を運び込み祝杯を上げる。
そして永昌王子にとどまらず邪魔者を次々に容赦なく廃除していこうと話し合う。
朝廷を追われたイ・ドクヒョンが帰郷するために出発しようとした時、先王が毒殺されたことが記された内医院日誌が見つかる。
- 第6話
予言の内容を思い出した大妃は貞明王女を急いで逃がそうとするが、王女が逃げたことに気づいたキム尚宮がイ・イチョムに追わせる。
男に変装して逃走する王女は、途中イ・ドクヒョンとホン・ジュウォンの助けで何とか渡しに到着するが、渡しには1人用の船しかなく1人で渡しを離れることになる。
王女が渡しを離れたとたん爆発が起き、王女の目の前は一気に火の海と化す。
一方、宮殿で永昌と貞明の殺害計画があることを知らされた光海は怒り心頭を発しキム尚宮を責めるが、爆音を聞いて馬を走らせる。火の海となった渡しを前に号泣する光海。
永昌が酷い死に方をしたと知らされた大妃は、永昌の遺体が手に持っていたという玉佩を握りしめながら涙を流す。
王女と王子の死を事故死として処理しようとするキム尚宮を見て怒りを露わにする光海だが、キム尚宮は光海がいつかすることを代わりにしただけだと居直る。
- 第7話
漢陰をお忍びで訪ねた光海は、そこで漢陰が追っている先王の毒殺について書かれた書物を目にすることになる。
あまりの驚きに言葉を失う光海。
一方、宮殿では毒殺に関わったイ・イチョムが漢陰に知られたのではないかと慌てふためき、毒殺の共犯者であるケシに漢陰を即座に消してしまおうと相談を持ちかける。
しかし時すでに遅し。
光海が漢陰を訪ねていったことを知るケシは無理だと話す。光海に知られる前に何とか火種を消したく知恵を絞るものの焦るばかりのイ・イチョム。
日本に辿り着いた貞明は生きるために長崎の硫黄鉱山で働いているが、すぐ近くで火山が噴火し慌てふためく。
逃げる途中、仲間のクボクが足を挫いて歩けなくなると、貞明は諦めずにクボクを支えて一緒に逃げようとする。
だが噴火はますます勢いを増し、逃げ惑う2人を煙が飲み込んでしまう。
- 第8話
国境地帯に配属されて向かうジュウォン。
女真族に襲われて荒れ果てた村に立ち入ったジュウォンはその悲惨さに言葉を失い、ただただため息をつく。
一方、倭では再び火山が噴火する中、クボクを助け出しているファイが姿を現す。
ファイとクボクを見たジャギョンはホッとするものの、いつもファイを頼り成長しないクボクにあきれ返る。
ファイは鉱山では鉱山主に一目置かれる存在に成長し、硫黄の製造にも精通している。
ある日、朝鮮との硫黄の取引を目前にした鉱山主は、約束の日時を目前にして硫黄が準備できないという窮地に立たされる。
相手が朝鮮の商人と聞いたファイは鉱山主に入れ知恵をし、難を逃れさせる。
朝鮮との取引の場に立ち合ったファイは、硫黄に関する知識もなく、売り物にならない硫黄を引き取った相手に疑問を持ち続ける。
- 第9話
偶然同じ店に居合わせたジュウォンとファイ。
ジュウォンがならず者に因縁をつけられ困っているところを見たファイは、相手が重犯罪者だと知り慌ててジュウォンを助ける。
同じ朝鮮人だと知ったジュウォンはファイが長崎の硫黄鉱山にいたことを知ると、密輸業者で名の通っているイダチに会わせてくれと頼む。
この機会に朝鮮通信使と一緒に朝鮮に帰りたいと思っているファイは、何としても帰るチャンスをつかみたいと思い、鉱山主に頼んでイダチにつないでもらう。
しかしイダチはなかなかの商売人で、明への義理立てを理由に朝鮮側の破格の条件を受け入れようとしない。
朝鮮をじらすイダチを見かねたファイは、回りくどい言い方をせずに条件を提示しろと詰め寄る。
ジュウォンは持ち前の機転を利かせて、イダチの怒りを静めて一触即発の状況を回避するのだが……。
- 第10話
ジャギョンを呼び出したジュウォンはファイが捕らわれている獄舎の鍵を渡し、ファイを朝鮮に連れて行くので必ず連れ出してほしいと伝える。
ジャギョンはジュウォンに約束を守るよう伝え、ファイを脱獄させに行く。
ジュウォンは火事を装い硫黄を取り戻すことには成功するものの、ジュウォンの動きを察知したカン・ジュソン側は出航を急がせる。
ファイは獄舎から出たものの追っ手に阻まれ渡しまで辿り着けない。
死に物狂いで渡しに向かって走るファイ。
そんなファイを追ってから守るジャギョン。
そして船の上でファイを待つジュウォン。
しかしようやく渡しの近くに辿り着いたファイの目に映ったのは遠くに去って行く通信使の船だった。
ファイは絶望のあまり泣き叫ぶのだが……。