「約束のない恋」のあらすじ

1960年代の韓国南海岸。そこでは誠実で人情深い長女ヨンソンをはじめ、4人の姉弟たちが貧しいながらも幸せな日々を過ごしていた。ヨンソンの父はやがて区長の頼みで海へ漁に行くようになる。いつものようにヨンソンの父親が漁に出たある日の夕方。母は雨が激しく降る海に異様な兆候を感じとっていた。いてもたってもいられなくなった母は父を迎えに5人の子供を家に残したまま出ていってしまう。しかし両親は二度と家に帰ってくることは無かった。11歳だった長女ヨンソンは残された兄弟たちをたった1人で支え続け、生きることさえ厳しい激動の時代を駆け抜けていくが…。

ヒロインであるヨンソンがありとあらゆる困難を乗り越え、成長していくサクセスストーリーを中心に、燃えるような恋愛も描き出し、韓国中の女性達から圧倒的な支持を受けた話題作。

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各話あらすじ

第1話



貧しくても心だけは豊かだった懐かしい時代。洞窟の中でヨンラン、ヨンドゥ、ヨンスク、ヨンジェが長女ヨンソンの話に耳を傾けている。


漁師の父と干潟で働く母親の帰りを待ちながら、ヨンソンは毎日、幼い妹と弟の面倒を見ている。


一方、裕福な家の道楽息子イ・サンナムには、体の弱い正妻イシルとの間に2人の子どもがいるが、ウンスンとの間にジョンボクという婚外子までいる。


だが何かにつけて言い訳をしてはジョンボクを認知しないサンナム。


それでもウンスンはサンナムに献身的に尽くそうとする。


居酒屋を営みながら生計を立て、サンナムとの関係を断ち切ろうとしないウンスンを見て、ウンスンの兄は店を閉めて一緒に暮らすことを提案するが、ウンスンはほっといてくれと兄を冷たく突き放す。


ウンスンとの話し合いがうまくいかず、兄は5人の子どもたちの待つ家へと帰る。


サンナムの息子イノは親友のスンテクといつも一緒。


スンテクは勉強ができていつも学校で表彰されるが、家庭教師をつけているイノはスンテクにいつも負けてしまう。



第2話



悪天候の中、区長の頼みを受けて海に出たヨンソンの父。


ヨンソンの母はいつもと違う様子に夫が心配で様子を見に行く。


恐怖に包まれながらも寄り添いながら両親の帰りを待つ子どもたち。


海辺に倒れていたのを発見され家に運ばれたヨンソンの母。


しかし、ヨンソンの母は血を吐き、お父さんは必ず帰ってくると言い残し、子どもたちの見守る中、あっけなく亡くなってしまう。


落ちぶれた両班の家の息子スンテクは、市場で餅を売り、よその家の洗濯物まで引き受けてきて洗う母親を見て胸を痛める。


苦労する母親を見ていられないスンテクは鉄道学校に進学すれば寮に入って勉強ができると話すが、スンテクを大学に行かせるのが夢だと言っている父親のためにもそんな話はするなと一蹴する。


区長と村人たちはヨンランの服に血が染まっているのを見て驚き、家に駆けつける。


ヨンソンの母親の死を悲しむ村人のところへ、今度はヨンソンの父の遺体が打ち上げられたという知らせが届く。



第3話



両親を亡くし、日々食べるのも大変な中、ある日、ヨンソンとヨンランは何とか食糧を手に入れようと市場に行く。


鮮魚店が捨てた魚の内臓を拾ってきて煮て食べようとしていたヨンソンの兄弟。


しかし、それはフグのアラだった。


ちょうど子どもたちの様子を見に来た区長が見つけて、間一髪のところで事なきを得るのだが、飢えに苦しむ子どもたちを見て区長夫婦は胸を痛める。


村全体が飢きんで食糧が尽き、区長夫婦も飢えに苦しむヨンソン兄弟を助けられず悲しむ。


国会議員を目指すサンナムは密輸に関わりながら、表向きは密輸の絶滅をスローガンに演説を行い人々から支援を得る。


ウンスンはサンナムにジョンボクを認知しなければ、家に押しかけて一緒に住むと詰め寄るが、サンナムは受け入れる気がなく、ウンスンの機嫌を取りにいく。


イシルの病が悪化するのを使用人のチャンレはやるせない思いで見守るのだが・・・。



第4話



ウンスンがサンナムの家で自殺未遂を起こしたのを見て動揺するサンナム。


ちょうど家に帰ってきたイノは父親の泣き声を聞き、家を飛び出してしまう。


イノが走り去るのを見たチャンレはイシルのそのことを伝えるが、イシルは毅然とした態度で、イノも事実を知るべきだと伝える。


外の空気を吸いたいと言い出かけたイシルに、チャンレは黙ってついていく。


幼い頃からずっとイシルのそばにいたチャンレは、いつか崖から突き飛ばしてほしいというイシルの言葉に胸がしめつけられ、身分の違いのために叶わぬ思いをイシルに告げ謝る。


一方、イノはサンナムの愛人であるウンスンが家に入ってくる苦悩をスンテクに打ち明ける。


そして闘病生活を続けながら父と愛人の生活を目の辺りにすることになった母親が苦しむくらいなら早く死んでほしいとまで話す。


イノの話を聞いたスンテクは、両班だと自負する父親と家族の生活を支えるために、母親がろくに眠ることなく働き続けていることが不憫でならないと話す。


叔母が見つかったという知らせを聞いた5人兄弟は、希望に抱きながら身の回りのものを持って、ウンソンのいる所へと向かう。



第5話



両親を失った5人兄弟がウンソンの所に到着するが、突然の出来事にウンソンは驚いて受け入れられずにいる。


雨脚がどんどん強まる中、家にも入れてもらえぬまま5人兄弟は、雨に打たれて立ったままウンソンを頼りひたすら待ち続けていた。


乳飲み子を背負い雨の中で立つヨンソンを不憫に思ったスンテクは、兄弟を家に入れてあげようと父親に申し出るが、他人のことに口を挟まず勉強をしろと厳しく注意されてしまう。


しかし、スンテクの話を聞いた父親はイノの家族の手前、家に上げることはできないが、軒下で雨宿りすることくらいは…、と言葉を濁し、受け入れることを暗に承諾する。


2人は喜んで兄弟を迎えに行くが、そこにはもう兄弟の姿はなかった。


物置に入れられた5人は雨に打たれるよりはマシだと言いながら、荷物を下ろす。


頼りの叔母に冷たくあしらわれ、5人はお先真っ暗だったが、ちょうどそこにタンシルが現れ驚かされる。


しかし心優しいタンシルが酒かすを分けてくれたおかげで腹ごしらえができ、何とか生き延びる。



第6話



ヨンドゥが突然意識を失ったため驚いた4人はすぐにチャンレに助けを求めるのだが、ヨンスクの証言でヨンドゥが殺鼠剤を飲んでしまったことが分かる。


幸いに一命は取り留めるのだが、行廊おばあさんに、ウンスンが家に来たためにろくなことがないと嫌みを言われる。


サンナムの愛人として強引に家に転がり込んだウンスンは、突然兄の子どもたちに押しかけてこられ、立場がなくなってしまうが、イシルにお詫びに行ったところ、イシルが血を吐いて倒れているのを見つける。


知らせを受けたチャンレはイシルを背負い医者の所に走る。


学校から帰ってきて話を聞いたイノはイシルの部屋に行き、母親の部屋をあさっていたウンソンを見て腹を立て罵声を浴びせる。


家に帰ってきたサンナムは、イシルが倒れたことを聞いても病院には行かず、妓房に遊びに行ってしまう。



第7話



空腹のために衰弱していくヨンジェを心配する周りの大人は、ヨンジェを養子に出すことをヨンソンに勧める。


子どものできない裕福な家庭に養子に行けば、ヨンジェは何の心配もなく育ち、将来財産も手に入れられる、そして会いたい時はいつでも会えると説得され、ヨンソンは泣く泣くヨンジェを手放すことにする。


しかし、どうしてもヨンジェがどうしても心配なヨンソンはスングムの助けを借りて、ヨンジェを見に行く。


大きなお屋敷の広い庭で母親らしき人と乳母に見守られ幸せそうに笑うヨンジェを見て、ヨンソンはヨンジェのためだと涙を流しながら帰路に立つ。


ちょうどその頃、サンナムの家にはヨンジェを引き取った家から米俵が届けられるが、それを見たジョンボクは、ヨンジェを売ってもらった米だと皮肉を言う。


それを聞いたヨンランは怒りケンカになってしまう。足をケガしたヨンソンを見つけたスンテクは、ヨンソンをおぶって家まで送りながらヨンソンを慰め続ける。


ウンスンはサンナムが演説の練習をしているところに、イシルの血を吐いたハンカチを持っていき、結核がひどくなっているのだと伝える。


それを聞いたサンナムは自宅に飛んでいき、コン執事と行廊おばあさんに、子どもたちをイシルに近づけるなと注意する。



第8話



イシルに食事を摂らせるために世話役を命じられるヨンソン。


結核の治療を諦め、食事も拒否するイシルだが、ヨンソンの熱意に徐々に心を開いていく。


ヨンソンは妹と弟のために学校に行くのも諦めてイシルの世話をするのだが、そんなヨンソンを見て、ウンソンはやめさせてほしいとサンナムに頼む。


しかし、イシルの兄の援軍を得て政界への進出をもくろむサンナムは、ウンスンの抗議に耳を貸そうとしない。


ヘビにかまれて気絶していたヨンソンは、チャンレに処置してもらったあと、しばらく眠っていたがようやく目を覚ます。


そして治療を諦めようとするイシルに、ヨンソンは絶対に諦めずに治してみせると話す。


イシルとヨンソンの絆が深まる中、母親に近づくことを禁じられたジスクは嫉妬してヨンソンを恨むようになる。


イノはイシルに一生懸命尽くすヨンソンを可愛く思う。



第9話



記者にインタビューを受けるサンナムは、家庭の不和を問われるが夫婦仲は円満だと記者を前に一芝居を打つ。


そんなところにジェソクからイシルが床に伏したという連絡を受け、サンナムは家に向かう。


町医者に手の施しようがないと言われたことを知ると、サンナムは周りに気づかれぬよう、イシルをこっそり大きな病院に連れていく。


母親が病院に行ったことを知ったジスクは、行廊おばあさんからもう長くはないだろうと聞かされショックを受ける。


イシルに可愛がられていたヨンソンに嫉妬していたジスクは、母親を失うかもしれない不安をヨンソンにぶつけ、わざと壷を割ってヨンソンのせいにし、母親は帰ってこないし、ヨンソンも病気がうつって死ぬと悪態をつく。


ジスクの本心を知らないヨンソンは他人事のようにふるまうジスクに腹を立て、奇跡は起きると反論する。



第10話



ヨンソンはイシルに挨拶に来るが、イシルは断固として会わないと伝える。


しかし、ヨンソンは行廊おばあさんが持っていた膳を奪い取り部屋に入っていく。


ヨンソンの強引な態度にあきれながらもイシルは受け入れる。


そしてヨンソンはパク氏の家にお礼を伝えに行く。


家に帰ろうとするヨンソンにスンテクは数冊の本を渡す。


スンテクの優しい心遣いに心を和ませるヨンソン。


イシルに刺しゅうを習うことにしたヨンソンは、イシルが少しずつ用意していたジスクの花嫁道具を見せてもらい喜ぶ。


一方、すぐに専門の病院に入院させる必要があると言われたチャンレは、サンナムに伝えに行くが、サンナムは公選が終わってからにすると言い医師の指示に従おうとしない。


イシルの面倒はすべてチャンレに任せ、選挙のことしか頭にないサンナムに、チャンレはあきれ返り怒りを覚える。


ヨンソンは妹たちが寝静まったあと、スンテクがくれた本を開き、そこに挟まれた押し花を見て、学校に行けない寂しさを紛らわせる。



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