「ドクター異邦人」のあらすじ
１９９４年６月、クリントン政権は北朝鮮の寧辺に位置する核施設への爆撃を計画。
心臓病を患っていた金日成の死亡後、直ちに爆撃を開始するとし、まさに第２の朝鮮戦争が勃発する寸前であった。そんな中、ミョンウ大学病院の心臓外科医であったパク・チョルが平壌へ向かい金日成の治療を成功させ、戦争の危機は去ることになる。当時、北朝鮮からの要請で父と共に北朝鮮に連れられた幼少のパク・フンは、そこで父であるパク・チョルの手によって医師として育てられ、ソン・ジェヒと恋に落ちるが、彼女の家族全員が粛清されてしまうことで、これまでに味わったことの無い別れの辛さを味わうことになる。５年後、指導層の健康管理を担当する医療研究所にて、政治犯収容所の生体実験の犠牲になり運ばれて来たソン・ジェヒと偶然に再会したパク・フンは、２人で脱北する計画を立てる。しかし、思いもかけずパク・フンは韓国大統領キム・テスルの命による政治的な理由からソン・ジェヒを失ってしまい、１人きりで韓国に戻ることになる。
韓国に戻ったパク・フンは脱北ブローカーから死んだと思っていたソン・ジェヒが生きており、助け出すために実に５億ウォンが必要であると聞かされる。
そんな中、韓国の大統領府は大統領の側近である秘書室長チャン・ソクジュの心臓病手術を担当するチームを探していた。しかし、心臓病を患っていたのは実は大統領自身であった。その事実を隠す理由は、大統領の健康状態が国家機密であるばかりか、いつ最悪の事態が起こるかわからないと知られれば 、大統領選挙の資金繰りに悪影響を及ぼすなど、チャン・ソクジュにとっては悪材料でしかないためだ。そこでチャン・ソクジュは自分が心臓病であると見せかけ、国内最高の手術チームを探すことにする。しかし、この事実を見抜いたミョンウ大学病院の心臓外科部長ムン・ヒョンウクは、あえて記者を呼び、まるで見せ物のように心臓病の治療を進めてる。そこには、自らが大統領側近のチャン・ソクジュではなく、大統領を執刀するに値する医師であることを世間に知らしめる目的があった。これにより退任を控えた病院長の座に着くことができると考えたムン・ヒョンウク。そこでムン・ヒョンウクはパク・フンにある手術を成功させれば５億ウォンを支払うと提案する。こうしてパク・フンは、 致命的な心臓病を患っている大統領の手術で成功を収め、失った外科部長の座に取り戻し、はては病院長の座まで這い上がろうと目論むムン・ヒョンウクと手を組むことに。
こうして大学病院で仕事を始めることになったパク・フンだが、人をバカにしたかのような口振りや、決めたら話も聞かず行動に移してしまうというワンマンな性格が災いし、病院内ではなかなかうまく行かない。ただでさえ「病院に所属しない人間(ストレンジャー)」のような存在 であるパク・フンである、大学病院に所属する医師達の間では対立は避けられない。トラブルの耐えないパク・フンの大学病院での生活、そんな中彼の前に思いがけない人物が現れる。それはパク・フンのかつての恋人ソン・ジェヒとそっくりなハン・スンヒという女医であった…。
各話あらすじ
- 第11話
総理の執刀医候補を決めるバトルは、３回勝負に変更された。
フンは、ある女性患者が心臓内科での医療事故により危険な状態となっていることを知り、手術しようとする。
だが事故の発覚を恐れる心臓内科に妨害された。
フンは、その患者をバトルの対象とすることで手術を実現しようとする。
- 第12話
心臓内科での医療事故を隠すため、理事長は「該当患者を手術をしなかったほうが勝ち」というルールを決める。
それでもフンは手術しようとするが、ジェヒの殺害をジンスにほのめかされて断念する。
やむなくハン科長が手術を始めるが、理事長の脅しに動揺した助手が誤って患者の血管を傷つけてしまった。
- 第13話
ハン科長チームの手術は、見かねて手助けしたフンのおかげで成功した。
手術に反対していた理事長は激怒するが、医療訴訟が回避できたため科長らの解雇は見合わせる。
ただし、フンだけは解雇処分とした。
ハン科長はフンの父親が、自分の父の死を巡り医療訴訟を起こして失踪した「パク･チョル教授」だと知って驚く。
フンは、ミョンウ大病院で会った精神科患者が自分の母親だと気づき、がく然とする。
- 第14話
ジェヒはフンの母親を総理から守るため、彼女をかくまってチャンイに託した。
フンは、心臓手術を受けるのは総理ではなく大統領であることを知る。
総理はフンやジェヒを操って大統領を昏睡状態に陥れ、実権を握ろうとしているのだった。
「総理の手術」をする病院としてミョンウ大病院が選ばれ、フンとハン科長は改めて手術バトルに挑むことになる。
フンが選んだ患者には血液凝固障害があったため、急きょ、高難度の「サーブ手術」を試みることにした。
- 第15話
フンによる「サーブ手術」は成功したが、事前に患者家族の同意を得ておらず問題となる。
だが患者が無事に目覚めたため、バトルは引き分けとされた。
スヒョンはハン科長に別れを告げ、フンに告白するがふられてしまう。
そして父である理事長がフンの父親を北朝鮮に送ったこと、スンヒがジェヒであることを知りショックを受ける。
- 第16話
フンと母親の身を案じたジェヒは総理に直談判をし、総理（実際には大統領）の手術からフンを外すよう要求する。
総理側は、フンを遠方に連れ出して出勤できないようにした。
最終決戦には急患２人が選ばれたが、フンが来ないためムン教授が執刀を引き受けた。だが患者が死にかけたため、やむなく科長にＳＯＳを出したところ、なぜかフンが手術室に現れたのだった。
- 第17話
バトル最終戦は仕切り直しとなった。
ハン科長の担当患者は、翌月に結婚を控えており手術で妊娠できなくなることを恐れている。
フンは出産後まで手術を延期できると主張したが科長は受け入れなかった。
開胸直前になって、患者の兄であるチギュに懇願されたフンは、不戦敗を覚悟して担当患者の交換を申し出、手術を中止する。
- 第18話
バトルに勝利したハン科長は理事長代行に就任する。
フンと母親は総理の指示で殺されそうになるが、大統領の指名により執刀医となったため、命拾いした。
復讐を開始したハン科長は、まず理事長の長男を逮捕させた。
その後、科長がイ･ソンフンだと聞かされた理事長は、ショックのあまり心臓発作で倒れてしまう。
- 第19話
理事長は緊急手術により一命を取りとめた。
復讐を断念したハン科長は、病院を去る。
フンは大統領に総理の陰謀を知らせようとするが失敗に終わる。
危険を察した大統領は病院を替えようとしたが、フンだけが可能なセーブ手術しか助かる道がないため、ミョンウで手術を受ける。手術後、昏睡状態の大統領を前に、有頂天になった総理が悪態をぶちまけた。
ところがその時、大統領が目を覚ましたのだった。
- 第20話【完結】
フンとジェヒは総理の陰謀から大統領を守ったが、政治取引によって大統領から見捨てられてしまう。
総理は死んだはずのジンスに銃撃され、重傷を負ったもののフンの手術により助かった。
フンとジェヒは逃走を試みるが、ジンスに撃たれて川に転落してしまう。
１年後、地方の保健所に勤め始めたフンは、法的手続きを経て韓国に亡命したジェヒと再会を果たしたのだった。
