「帝王の娘 スベクヒャン」のあらすじ
時は6世紀の百済(ペクチェ)、第24代王 東城(トンソン)王の治世末期。加林(カリム)城の城主 ペク・カの娘チェファは、王の従兄にあたるユンと密かに情を通じており、彼の子を身ごもっていた。ユンは佐平(チャピョン)として戦に明け暮れ、チェファが身ごもっている事実を知らなかった。
そんなある日、戦地から帰ったユンはもし子供が出来、娘だったら百済を守る花という意味の“スベクヒャン”と名付けようとチェファに話す。
その頃、チェファの父ペク・カは東城王によって屈辱を受け、怒りを募らせていたが、娘とユンの関係を知り、東城王がいなくなれば娘が王妃になるのではと考えていた。そんな中、ユンの側近ヘ・ネスクから“ユンも東城王の死を望んでいる”とそそのかされ、東城王の暗殺を実行する。東城王を敬遠していたようにみえたが敬愛していたユンは、これに激怒しペク・カを自害に追い込む。ネスクはチェファがユンの子を宿していることを知るが、ユンを王にするためその事実を隠し、ユンにはチェファが命を落としたと伝える。
ペク・カの屋敷が炎に包まれ、父の側を離れようとしないチェファを家来のクチョンが助け、伽耶(カヤ)へ逃げると、そこで女の子を出産し、その子にユンと約束した“スベクヒャン”ではなくソルランと名付ける。一方で、ユンは第25代王 武寧(ムリョン)王として即位し、“息子を守ってほしい”という東城王の遺言に従い、よく似ていると言われる自分の息子と彼の息子を入れ替え、側におくことで身を守り、そして王位につけようと考える。
時が立ち、チェファとクチョンの間に生まれたソルヒは、異父姉ソルランが武寧王の娘だと知って彼女に成り済ますことを考える。
こうして激動の時代に翻弄されながらも次第に権力を掌握していくスベクヒャンの波乱に満ちた物語がはじまる…。
各話あらすじ
- 第11話
武寧(ムリョン)王が王位に就いてから迎えたソネ王妃は病死し、ヘ・ネスクの娘が新たにウネ王妃となっていた。
そんな中、高句麗の密偵を暴いたミョンノンの功績を称える宴席で、武寧(ムリョン)王はミョンノンに対し、名君である東城(トンソン)王に学べと言う。
それを聞いたチンムは怒りに打ち震える。
- 第12話
山で道に迷ったソルランとソルヒは、ならず者に襲われそうになるが、ソルヒはソルランを置いて逃げてしまい、姉妹の仲はぎくしゃくし始める。
そんな中、武寧(ムリョン)王は伽耶(カヤ)の地を訪問することが決まる。
チンムとヨン・ブルテは、その道中で密かに武寧(ムリョン)王を暗殺する計画を立てる。
- 第13話
百済(ペクチェ)から武寧(ムリョン)王の一行が訪れることを知ったソルヒは、ソルランを無理やり同意させて、市場へと出向く。
一方、チンムは市場で武寧(ムリョン)王を暗殺しようと、準備を整える。
その頃、ソルランとソルヒが百済王一行を見物しに行ったと知ったチェファは、慌ててふたりを捜しに向かう。
- 第14話
ミョンノンの提案で、伽耶(カヤ)の行宮に向かう前に、ペク・メスンの工房を訪れる武寧(ムリョン)王。
そこでクチョンの姿を目撃したヘ・ネスクは、チェファがこの地で暮らしていることを知り、武寧(ムリョン)王にチェファが生きていると知らせる。
一方、チェファはソルランに、百済(ペクチェ)を守る花、守百香(スベクヒャン)の話をする。
- 第15話
ヘ・ネスクは、満月の夜に楼閣で待っているという武寧(ムリョン)王の言葉をチェファに伝える。
そして満月の夜。
チェファは遠くから武寧(ムリョン)王の姿を見ただけで、そのまま家に戻ってくるが、チェファのことを父・東城(トンソン)王を暗殺した敵の娘と憎むチンムは、チェファのもとに刺客を送り込む。
- 第16話
チェファの家が刺客に襲われる。駆けつけたコマクやヨング親子は殺害され、クチョンも斬られる。
チェファは両目に重傷を負うが、ソルランの機転によって、ソルランとソルヒ、チェファの3人は洞窟に身を隠す。
一方、チェファの存在を知ったミョンノンは、チェファを迎えに行く。
- 第17話
医者のもとに向かう途中でミョンノンと出くわしたソルランは、取り乱したふりをしてやり過ごす。
一方、目が見えなくなったチェファは、持っていたかんざしからソルヒをソルランと勘違いし、実の父親が百済(ペクチェ)の武寧(ムリョン)王で、本当の名前はスベクヒャンであることをソルヒに話してしまう。
- 第18話
間違ってソルヒにソルランの出生を話してしまったことに気づいて、愕然とするチェファ。
だが、ソルランに真実を伝えられないまま、チェファはスベクヒャンとだけ言い残して、息絶えてしまう。
そんな中、武寧(ムリョン)王は、チェファに会えなかった寂しさを胸に、伽耶(カヤ)の地を後にする。
- 第19話
両親の敵討ちを誓ったソルランは、百済(ペクチェ)・新羅(シルラ)・伽耶(カヤ)の3国に通じる街道の村で荷運び人たちの世話をしながら、村を襲った盗賊たちの情報を仕入れている。
そんな中、有力な情報を聞きつけたソルランは、その盗賊団の住みかに向かおうとするが、そこへソルヒも一緒についてくる。
- 第20話
盗賊の住みかの近くで待ち伏せするソルランとソルヒ。
だが、ソルランが百済(ペクチェ)王の娘だと知ったソルヒは、ソルランがそばを離れた隙に、ひとりで百済の都、熊津(ウンジン)城へと向かう。
城門の前で倒れ、ヘ・ネスクの夫人に助けられたソルヒは、結願鼓(キョロンゴ)を叩けば王に拝謁できるかもしれないと聞く。