「名家の娘ソヒ」のあらすじ
時は1894年。夫に先立たれたユン氏夫人は、伝統あるチェ参判宅を守っていた。チェ家のひとり息子チスと愛のない結婚をしたビョルタンは、下人として入ったクチョンと愛し合い、幼い娘ソヒを置いて駆け落ちする。その後、クチョンの正体が、ユン氏夫人が手篭めにされて出来た息子キム・ファンだとわかり、チスは異母弟に妻を奪われたことに激怒。そんな時、没落した両班のピョンサンがチスを罠にかけて殺害してしまう。数日後、ユン氏夫人もコレラで他界し、肉親を亡くしたソヒは、下人のギルサンに見守られて成長する。チェ家を守ることを使命に生きるソヒだが、親戚のジュングの策略で土地の権利書を奪われてしまう。いつかジュングに復讐し、土地を取り返すと固い決意を胸に故郷を離れたソヒは、日本との親密な関係を築き、富と名誉を手に入れてギルサンと結婚する。そして、物語は甲午農民戦争、甲午改革、乙未事変などの韓国近代史を背景にして進行し、1945年、ソヒはようやく再び故郷の土地を踏む。
各話あらすじ
- 第41話
【第41話】もどらない青春
ソヒの影のように生きてきたボンスンは、平沙里(ピョンサリ)に戻ってはきたが、ソヒの思いやりを素直に受け入れず、アヘン中毒から抜けられない。
一方、白丁(ぺクチョン:屠殺業)達への差別、日本での関東大震災時の朝鮮人虐殺など時代は益々生きにくくなる。
そんな中、ギルサンがソウルに来るという情報を得たソヒは、ギルサンが居る旅館の前に長男ファングクと立つ。
そっと窓から見詰めるギルサン。家族が一緒に暮らせるのはいつの日か…。
- 第42話
【第42話】ボンスンの自殺
ボンスンが入水自殺をした事を知らずに、サンヒョンが訪ねてくる。
ソヒからボンスンの娘ヤンヒョンを養女にすると聞かされる。
自己嫌悪に陥り、ハルビンに行く決心をするサンヒョン。
時が流れて1929年になる。独立運動は思想的対立が激しくなり、内部分裂の末に、イ・ドンジンはカン猟師の息子ドゥメに撃たれて死ぬ。
失意のギルサンとサンヒョン。
そしてキム・ドゥスの執念の追跡に、とうとうギルサンも逮捕されてしまい、ソヒも窮地に陥る。
- 第43話
【第43話】守るべきもの
公判が開かれ、懲役2年の判決を受けたギルサンは、ソヒに離婚を促がす。
自分が一番守るべきは家族だったと、朝鮮に戻ったことを後悔するソヒ。
ギルサンを口実に、近藤署長は土地の献納を要求する。
年老いたヨンも死に、ソヒが孤独を深める中、反日学生運動がおこる。
ソヒの戒めも聞かず、次男ユングクは積極的に活動する。
ドゥスの弟ハンボクや白丁グァンスの息子などの若者達は、先が見えない状況の中で、それぞれの道を探すべく苦悩する。
- 第44話
【第44話】母の悲しみ
ソウルに家出したユングクは金も服も盗られて、現実の悲惨さを知る。
サンヒョンの手紙をもらったミョンヒは、ヤンヒョンを養女にすべく、ユングクを連れてソヒに会いに行くが、断られる。
チョ・ヨンハ伯爵の異常な嫉妬に悩まされ続けるミョンヒは、人生に意味を見いだせない。
ソヒが手を尽くし、ギルサンは早期に釈放される。
また独立運動をすれば、家族が壊れると心配するソヒは、ギルサンの安全な居場所を画策する。
相変わらずつけ狙うドゥス…。
- 第45話
【第45話】祖国のために
ミョンヒは海で自殺を試みるが、ジュングの息子ビョンスに助けられる。
一方、ギルサン達は独立運動の起死回生のため、仮臨時政府の名の下に、親日派の家に強盗に入る計画を立てる。
家族を危険にさらすと、必死で反対するソヒだが、警察署爆破を含め、実行に移される。
ソヒの家もグァンスが金を取りに来る。縛られて、被害者のふりをするソヒ。
ギルサンは平沙里(ピョンサリ)にいてアリバイがある。
ドゥスは尻尾をつかもうと躍起になる。
- 第46話
【第46話】信念
実行犯のグァンスを逃がすために、囮となったハンボクを捕まえるドゥス。
結果、逆に立場が危うくなり、巡査部長の職を追われてしまう。
恨みを抱いてソヒを殺そうとするが、失敗する。
ギルサンは絵の才能のあるファングクを美大に行かせる。
将来、日本が負けた時に、息子が日本の協力者として責任を問われない職業をと、考えたのだ。
一方、ミョンヒの教え子ユ・インシルは日本人の緒方の子を妊娠し、チョ・チャンハに育ての親を探してもらう。
- 第47話
【第47話】憐憫
身動きの取れないギルサンは、家族と共に表向き平穏な生活を送る。
1943年となり、新京で亡くなったグァンスの遺灰を持って、息子ヨングァンは平沙里(ピョンサリ)にやってくる。
美しく成長したヤンヒョンと出会い、二人は密かに心惹かれあうが、ユングクもヤンヒョンを女性として意識し始めていた。
一方、朝鮮の若者たちを軍隊に送るべく、近藤署長が再赴任してくる。
夫や子ども達を守るために、ソヒは新たな計画を実行する。
- 第48話
【第48話】自由へのあこがれ
戸籍をイ家に入れ直されたヤンヒョンは、衝撃を受け、ヨングァンに益々近づく。
ヤンヒョンを守るためにユングクとの結婚を進めるというソヒに、自分の欲望のために子ども達を縛るなと憤るギルサン。
療養のためと偽って山寺に引き込んだギルサンを追ってきて、近藤署長は脅迫する。
満州でもドゥスがまた現れ、ホンにつきまとい、逮捕させる。
独立運動も先が見えなくなる中、朝鮮国内外の人々の生活は益々悲劇的になっていく。
- 第49話
【第49話】陸地の魚
ユングクとの結婚話を知ったヤンヒョンはヨングァンを愛していることに気づき、ユングクに兄としてしか愛せないと告げる。
一方、息子ビョンスをも苦しめ続けたジュングは、最後まで生に執着しながらついに死ぬ。
戦局が不利になり、日本は朝鮮の若者たちを軍隊に送り始める。
平沙里(ピョンサリ)の村でも、強制的に捕まえるのを見て、危機感を強めるソヒ。
まずはギルサンを国外に逃亡させようとするが、逮捕されてしまう。
- 第50話
【第50話】親子
ユンシルは緒方に、息子をチャンハが育てていることを告白する。
緒方は怒りをこらえ、チャンハに成人するまで育てることを頼む。
ドゥスは共産軍として活動するドゥメを、親の出自を匂わしてソヒへの復讐に利用しようとする。
ギルサンは獄中で拷問を受け、ヤンヒョンは軍医として徴兵されようとする。
家族の危機に解決策を見いだせず、苦悩するソヒ。
ユングクは近藤署長に、ヤンヒョンの代わりに自分が志願するから、ギルサンも釈放するよう交渉する。