「明成皇后」のあらすじ

第1話




1864年、急逝した哲宗の跡を継ぎ、朝鮮王朝第26代の王、高宗が即位した。 哲宗に世継ぎがいなかったことによる、政治的取引の産物であったが、これにより権力を握ったのが、王の実父である大院君であった。 大院君は、安東金氏や豊壌趙氏の勢道政治により、王族でありながら不遇の日々を強いられた。 そうした状況を打破するべく敏腕を振るう大院君にとって、直近の課題が2点あった。 第一に大王大妃趙氏による垂簾聴政を終わらせること、第二に高宗の王妃を定めること。 そこで、妻である府大夫人閔氏の一族である、閔ジャヨンに着目する。



第2話

父を早くに亡くし、没落した家門の娘である閔ジャヨンは、外戚の干渉を阻もうとする大院君にとって好ましい王妃候補であった。 ところが大王大妃趙氏も一族の娘を候補と目していた。 大院君は大王大妃に、垂簾聴政を終わらせる代わりに、王妃選びを一任すると持ちかける。 大院君が政治生命をかけて挑む一大事業、景福宮の再建工事は、財政難に悩まされていた。 大院君は安東金氏の座長、金左根を訪ねる。 金左根は大院君を恐れ、大金を寄付すると申し出て、宴を催すのだが…。



第3話

宴の料理に毒を盛られたと、安東金氏を恫喝する大院君一味。 金左根は大院君の意図を察し、大王大妃の垂簾聴政を終わらせることに協力する。 大王大妃は垂簾聴政を降りることを宣言し、後事は大院君と協議して決めるよう言い残して御前を立つ。 こうして大王大妃に代わり実権を握った大院君は、言葉巧みに大王大人の約束を反故にし、閔ジャヨンを王妃に選ぶ。 しかしそんなことは、封書係である宮女李氏を溺愛する高宗には知る由もなかった。



第4話

閔ジャヨンが王妃に決まり、兄の閔升鎬らは歓喜する。 大院君は王妃を迎え入れることを口実に、大王大妃の居を楽善斎に移し、豊壌趙氏の勢力を抑えるとともに、金炳学を抱き込み、安東金氏一門を懐柔しようとする。 そんな大院君も、景福宮の工事の進度が上がらないことには業を煮やしていた。そんなある夜、工事現場が火災に見舞われる。



第5話

政治生命をかけた景福宮が火に包まれたことで、大院君の怒りは頂点に達し、営建都監である実兄の興寅君を叱責する。 この火災を反対勢力の示威と考えた大院君は、王室の秩序を確立することを急ぎ、幾多の手続きを短期間で済ませ、高宗と閔ジャヨンを成婚させる。 しかし高宗はその夜、閔ジャヨンと床を共にせず、李尚宮のもとに走る。



第6話

周囲に説得され西温突を訪れた高宗を、王妃はやさしく李尚宮の部屋に行かせる。 翌朝、大院君の不意の訪問にも、王妃の機転で事なきを得る。 大院君は王と王妃を前に、信用するに足るのはこの3人だけだと諭すが、心中を察することのできない王妃の表情に、嫌悪感を覚える。



第7話

王道政治の回復と万民平等という政治的理想を金炳学に語る大院君。 その矛先は、勢道政治と結託し、守旧勢力の巣窟と化していた書院へと向かう。 大王大妃はこれに正面から反対し、大王大妃の一族である趙寧夏も、金左根の息子である金炳冀と会談するなど、対決姿勢を強める。 一方、宮中では王妃と王が疎遠であるという噂が広まる。 府大夫人は宮中を訪れ李尚宮を叱責し、閔升鎬は王妃を軽んじる大院君に不満を抱く。



第8話

大院君は景福宮の火災の原因究明を口実に、民心の引き締めを図ると共に、火災によりさらに逼迫した財政を補うため、人頭税や通行税といった新たな負担を民に強いる。 異を唱える重臣たちを前に、西欧の脅威を語る大院君のほおには涙が伝う。 一方、高宗に袖にされ、読書で夜を明かす王妃閔氏。その徳の深さに、同副承旨を務める高宗の兄、李載冕ら周囲の信望は増すばかりであった。



第9話

高宗の寵愛を受けた宮女李氏の妊娠が判明。 大院君は王の血筋であれば嫡庶を問わず世子に任命する意向を明らかにする。 西温突にて一人夜を明かす明成皇后の立場は悪くなるばかりだ。一方、開国を迫る西洋列国の圧力が強まる中、大院君の父である南延君の墓が西洋人によって暴かれる事件が起こる。 朝廷の重臣たちを一喝する高宗に、大院君は目を細める。



第10話

宮女李氏が男児を出産。王室では李氏の処遇をめぐり、論争が起こる。 大院君は李氏に高い品階を与えようとするが、大王大妃や朝廷の重臣らはこれに反発する。 また、王妃閔氏を推す府大夫人や閔升鎬は、大院君が王妃を疎んじていることに不満を募らせる。 大院君は景福宮の工事による財政の逼迫を打開しようと、当百銭という新貨幣を発行するが、貨幣価値は混乱。 大王大妃を筆頭とする豊壌趙氏や安東金氏の勢力は、こうした民衆の不満に乗じ、大院君の独裁に歯止めをかけようと画策する。



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各話あらすじ

第1話景福宮の接見室、日本の公使らが高宗を訪問する。高宗の隣には暗くすだれを垂らして座っている女性がいた、即ち、高宗の妃‘明成皇后’であった。日本の公使三浦が日本は散る桜のように死を通じて甦ると高宗に妄言を吐くと、明成皇后は頂門一針に一言で彼らを制圧する。
明成皇后は高宗に、皇后自身の命が奪われる事があっても絶対涙を見せてはいけない、剛健な君主となって国を治めてくださいと遺言のように語る。
雷の落ちる庭園で明成皇后は、過ぎし日の大院君を思い浮かべながら考え込む。
哲宗3年2月6日、国葬が終わり、哲宗の位牌は宗廟に据え祭られる。
王位に就いた高宗は13歳だった。急逝した哲宗に世継ぎがいなかったことによって、当時王室の権力者であった大王大妃趙(チョ)氏が大院君の次男明福を養子に迎え、先代王翼宗の後を継がせ、即位させた。これはまさに政治的取り引きの産物であった。
哲宗先王の3年葬儀が終わった直後、高宗の婚礼を急ぐ声が高まり、大王大妃趙氏は豊壌趙氏一族から王妃を定めようとの意を出す。
第2話大王大妃が王妃選びを急ぐと、大院君の妻である府大夫人閔氏は閔氏一族である閔ジャヨンを妃として薦める。だが、大院君は父を早く亡くし、独り身の母親の元で育てられた閨秀は王妃候補にふさわしくないと妻を咎める。ところが、大王大妃が取り立てた趙氏一族の閨秀にも父親がいない事を知った大院君は、予め大王大妃を訪ねて、独り身の母親の元で育てられた閨秀にも候補になってもらうのはどうかと探りを入れる。大院君の本音を知るよしもない大王大妃は、その意見に喜んで同調する。
府大夫人閔氏は閔ジャヨンがまえもって王室の礼を身に付けるよう、女官から教育を受けるように命じる。
初王妃選びの当日、宮を訪れた閔ジャヨンは初めからしくじってしまう。大院君は大王大妃の垂簾聴政を終わらせようとすることを趙氏一族が激しく反対している事と、安東金氏一族である金炳冀(キム・ビョンギ)がまだ権力を握ったまま政権を左右している事などの問題を根本からなくそうと計画を立てる。
大院君の頭の中は、大王大妃の垂簾聴政を終わらせる事や新しく選ばれる王妃の座を握る事で一杯になっている。
第3話大院君が王妃選びを一任するという話を大王大妃に持ちかけると、大王大妃は喜んで承諾する。
大院君は代わりに高宗の婚礼後、垂簾聴政を終わらせるよう頼み入る。それは受け入れたくない大王大妃であったが、大院君が王妃の座を諦めたと思い込み、大院君の提案を受け入れる。
大王大妃が垂簾聴政を降りると宣言し、趙氏一族は激しく反発するが、大王大妃は権力の中心は変わるものだ、王妃の座を得たので些細な事にまで気にするなと命じる。大王大妃が垂簾聴政を降りると聞かされた高宗は、血の涙を流す。
初王妃選びで5人の閨秀が選ばれ、再選びで3人が選ばれる。
最後の王妃選びの当日になり、大院君は自ら入宮して王妃選び場に参加する。
もう、宮内では大王大妃趙氏の一族の娘が王妃として選ばれたという噂が広まっていて、王妃を選ぶという緊張感よりも新たな王妃を迎える宴会場のようなめでたい雰囲気であった。
大院君の話を信じ込んでいた大王大妃は、自ら自分の一族の娘を王妃として選ぶ事が気恥ずかしくて、大院君に最後の選択を一任する。
ところが、約束とは反して大院君は、閔氏一族の娘ジャヨンを王妃として選び・・・
第4話やっと大院君に騙されたことに気付いた大王大妃は悲痛な気持ちでいっぱいになる。体面のために大院君に王妃選びの機会を与えた自分の過ちを後になって後悔するが、もう遅い。
大院君は長男ジェミョンに、3回目の最終王妃選びの場に閔致祿の娘だけが参加し、他の閨秀は私家に戻って婚姻をしても良いという教旨を書くように命じる。閔致祿の娘ジャヨンは別宮に居を移し、宮廷の礼を見習わせ、その別宮は雲?宮と称した。 大院君は王妃を定めたことを口実に、大王大妃の居を楽善斎(ナクソンゼ)に移すよう勧める。これは、垂簾聴政を降りた大王大妃に、まだ残っている権勢を徹底にそぐための大院君の企みであった。
大院君は金炳学(キム・ビョンハク)に領相の職を頼むが、金炳学は安東金氏一家が今までなしてきた仕打ちで自分を試しているのではないか疑問を抱く。大王大妃が居を楽善斎に移すと知らされた大院君は、宴を用意して送る。楽善斎に着いた大王大妃は悲惨な気持ちで耐えられない。
安東金氏一家では大院君の権力に負けない勢力を保つために足掻くのだが、大院君は過去安東金氏らに軽蔑された悲痛の日々を一つずつ思い浮かべる。
第5話景福宮の火災現場に駆け込んだ大院君は、集まっていた大臣らに誰かが火を放ったに違いない、真相を究明して関連者は斬首にすると激怒する。
金炳冀は放火の首謀者として自分を疑う金左根に、これは安東金氏一門に罪を押し付けて懲らしめようとする大院君の陰謀だと話す。
景福宮の火災事件で朝廷が騒がしくなっている中、高宗と閔ジャヨンの成婚の礼が行われる。だが、李尚宮(サングン:女官の役職の一つ)のことが忘れきれなく、高宗は閔ジャヨンとの初夜に床を共にせず李尚宮のもとに走る。

第6話初夜に王妃閔氏を置き去りにして、李尚宮の居に向かっていた高宗は、これが大院君に知られたら李尚宮の命が危ないと李内侍の助言に説得され、再び王妃のもとへ足を運ぶ。
高宗を迎えいれた王妃閔氏は、寝付けない高宗をやさしく李尚宮の部屋に行かせる。
李尚宮の部屋で初夜を過ごした高宗は、翌日朝早く入宮した大院君にばれるところだったが、王妃の機転で事なきを得る。
王妃閔氏は李尚宮に心を奪われている高宗の事で、表面には出さずき然としているものの裏で密かに涙ぐむ。
金左根の誕生日を迎え、集まった安東金氏一門は、金炳冀を中心として力を合わせて大院君に立ち向かう事に合意する。一方、安東金氏一門との和解を取り持つために雲?宮を訪れた金炳学は大院君から爆弾発言を聞かされる・・・
第7話高宗は毎晩李尚宮の部屋を訪ね、王妃閔氏は読書に没頭して寂しさを慰める。
李尚宮が先に身ごもる事を心配する夫人に、大院君はどちらでも息子だけ産めば大丈夫だと冷ややかに言い返す。
大王大妃趙氏は自分の所にまで訪ねてきて、これから繰り広げようとする改革政治について論ずる大院君に、一人で全てを叶えようとするのは独り善がりだと一喝する。
また、金左根の誕生日を機に勢力を結集した安東金氏一門は、金炳冀を中心に大院君に対抗しようとする兆候を見せる。
守旧勢力の不気味な動きを察した大院君は、心服李ギョンハを呼び寄せて、文書一つを渡す。その文書を受け取った李ギョンハは殺生簿ではないかと感付き見てみると、そこに書かれている名を見て驚愕するのだが・・・
第8話景福宮の火災によって財政損失はもちろん工事期間まで延びてしまい、大院君は財政を補うために、都城に入るための通行税や水田に水を引き入れるための水用税、また家庭内の成人男性の数ほど払う人頭税など新たな税金を取り立てる。民の不満と怒りは高まるばかりである。
大院君は景福宮再建工事は王室の威厳はもちろん、西欧に朝鮮が決して容易い相手ではないと誇示する意を持つのだと、工事強行の意を強める。
一方、大院君は自分の政策に不満を抱いて事毎に反論しつづけていた金炳冀を禮曹判書の職から降ろし、他の職を任せない。金炳冀は大院君が自分を殺すための準備段階で職から降ろしたことに気付き、ヨジュに都落ちする。
明成皇后は相変わらず高宗に無視され、読書に没頭したまま毎夜を明かす。明成皇后と接する大院君の態度もまた冷ややかであった。
そんな中、宮中には李尚宮が先に息子を産むと明成皇后は廃されるかもしれないという噂が広がる。そして、ついに李尚宮に懐妊の兆しが・・・
第9話李尚宮の妊娠が判明すると、宮中には波紋が巻き起こる。特に、誰の身から生まれようが、早く王の後継者を産む事が何より大事だといった大院君の一言が、みんなの肝を冷やさせた。
さらに、大院君が高宗と明成皇后の前で、李尚宮が元子(後継者となる予定の王の長男の呼称)を産むべきだとまで言い、宮中には緊張が高まる。
これに対して大王大妃趙氏は、ついに大院君が権力から引き下がる気がないというその本性を現したのだと残念に思う。
妊娠の事で皆の関心が李尚宮に集まり、明成皇后はどうすれば夫に愛され、お義父さんに疎まれず気に入ってもらえるかと涙を流し悲しむ。
李尚宮は出産を目前に占い師から、息子を産むはずだが、王座に就かせるためには必ず一番鳥が鳴く際に産まなくてはならないと・・・
第11話高宗は明成皇后にを袖にしたことを謝り、今まで黙々と耐えてくれた事に感謝の意を表す。明成皇后は自分を訪ねてくれることが一ヶ月に一度でも、一年に一度でも構わず待てるので、自分を見捨てることだけはしないでくださいと初夜の約束を思い浮かばせる。
李尚宮は高宗が明成皇后の部屋へ向かったと聞かされ、やきもちを妬き、子どもが高熱で苦しんでいるとウソを伝えるよう命じる。
久々に和気藹々としていた二人だっだが、ウソの知らせに高宗は一息に李尚宮の部屋へ駆けつける。再び一人残された明成皇后は、夫のいない寝床を憮然たる表情で眺める。
一方、大院君は王子を産んだ李尚宮に高い品階を与えようとする。だが、高宗は明成皇后の立場を哀れに思い、決意を躊躇いながら朝廷大臣らと相談する。大院君は、今まで全て自分の言うとおりに従ってきた高宗がこのような行動を取ったのは本人の意志であるまいと思い、陰を問い詰める。
笑ってはいたものの、明らかに不愉快な表情を見せていた大院君が気になり、高宗は苛立つ。そんな高宗に明成皇后は大院君は父親である前に、殿下の臣下であると助言するのだが・・・

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