風の絵師
朝鮮時代の天才画家の生涯と名画にまつわる物語!
■話題
主題歌は兵役終了したばかりのチョ・ソンモ
歌手チョ・ソンモ(31)が、除隊後の復帰作として、SBS『風の絵師』(脚本:イ・ウニョン、演出:チャン・テユ)の主題歌を歌う。
5月に公益勤務を終えたチョ・ソンモは、このドラマOSTへの参加で、本格的な活動再開を告げた。プロデューサーに歌手のハウルとチョソンモは、イ・スンファン作曲の曲を歌い、9月10日、オンラインで先行公開が始まった。SBSで9月24日に初回放送を迎えた『風の絵師』は、パク・シニャンとムン・グニョンが主演し、それぞれ、朝鮮時代の画家キム・ホンドとシン・ユンボクを演じる。
チョ・ソンモは、2004年SBSドラマ『パリの恋人』の主題歌『君のそばへ』をヒットさせたことから、パク・シニャンとの縁を感じる。
『風の絵師』、予告編の公開と同時に爆発的な注目
パク・シニャン、ムン・グニョン主演の『風の絵師』が、5日午前公式HPに予告編を公開したとたん、サーバーがダウンする珍現象を起こした。
数万人のネチズンがいっぺんに押し寄せたために、HPのサーバー自体がダウンしたのだ。
4分に及ぶ予告編でムン・グニョンは、シン・ユンボクの魅力を完璧に再現した。韓服に加髢(女性の髪の装飾の一つで、髪を豊かに見せるために、他人の髪の毛を入れて編み上げたスタイル)の女性らしい姿で、シン・ユンボクの『美人図』を巧みな筆さばきで描いてみせた。
ネチズンからは“時代劇がよく似合う”、“高級感の漂う色彩と音楽が印象的”などの感想がどっと寄せられ、大好評であった。
特にキム・ホンド役のパク・シニャンがムン・グニョンを見つめる姿は、10秒ほどのお披露目だったが、深い切なさで強い印象を残した。
粗末な礼服に笠といういでたちで涙をこらえるパク・シニャンの表現力は、時代劇初挑戦ということが信じられないほど光っていた。
『風の絵師』は、下半期最大の期待作に挙げられるファクション(faction)推理時代劇である。キム・ホンドとシン・ユンボクの歴史的な実在人物たちの物語に、小説『風の絵師』でのシン・ユンボクは男装の麗人という設定が加味された。歴史的人物たちのビハインドストーリーをミステリーとして加味し、“ファクション推理時代劇”という独特なジャンルを誕生させた。
劇中シン・ユンボクは、ナゾの男に殺害された絵師ソ・ジャンと、伽耶琴で有名だった当時の名妓との間に生まれた娘だ。父の死のナゾを明かすために、男装で図画署の絵師となり、天才画家キム・ホンド(パク・シニャン)の弟子となり、秘めやかな人生を送る。
パク・シニャンは、「こんなふうに一つの作品の中に、美術、ミステリー、恋がつまったドラマはなかった。独特で新しい」と、感想を述べた。
■製作
原作:イ・ジョンミョン
脚本:イ・ウニョン
演出:チャン・テユ
2005年SBS月火ドラマ“不良主夫”共同演出
2006年SBS月火ドラマ“101回目のプロポーズ”演出2007年SBSドラマスペシャル“銭の戦争”演出
朝鮮時代の最も有名な風俗画家、キム・ホンドとシン・ユンボク!!
キム・ホンドは「書堂」や「シルム」などの躍動感あふれる風俗画だけではなく、巨大な儀軌(宮中儀式を記録した絵)、水墨画、そして自身の老年を写実的に描いた自画像に至るまで多彩な絵を残した、歴史上最も有名な朝鮮の画家である。
また、洗練された筆遣いで男女の愛情を描いたシン・ユンボクは、彼女を知らない人たちであっても、その絵の印刷された絵葉書やカレンダーは必ず目にしている、現代においてよりその価値を認められる天才画家である。
ここまでが、2人について知られている事実である。 しかし、この2人には、いくつか知られていない事実がある。2人は図画署*1で画員生活*2を共にした同時代の画家であり、2人が同じ主題で描いた絵が何枚も発見されている。2人の天才画家のうち、キム・ホンドに関する資料は数多く発見されている反面、シン・ユンボクに関する資料は、ほとんど残っていない。 *1…図画署:朝鮮時代、絵に関する業務を任された役所? *2…画員:絵師
キム・ホンドは、英祖、正祖、純祖、3人の王の寵愛を受け、長きに渡って権勢を誇ったが、シン・ユンボクは“低俗な絵を描いて図画署を追われた”という風聞だけを残し、歴史から永遠に消えてしまった。
2人の活躍した18世紀は、安定した社会を基盤に、文化が最も華麗に花開いた時代だ。自身も優れた画家であった正祖の積極的な文芸復興と、改革の風に後押しされ、前近代から近代へと移り変わるエネルギーに満ちたその時代に、“記録された者”と、“記録されなかった者”、“キム・ホンド”と“シン・ユンボク”がいた。
いったい、この2人に何があったのだろうか。シン・ユンボクに関する記録は、なぜすべて消えてしまったのだろうか。しかし、幸いにも、彼女の記録は消えたが、絵だけは無事残っていた。今、彼女の絵を注意深く眺めてみよう。静かに…絵の中から声が聞こえる。
このドラマは、まさに、その物語である。
絵の中に密かに隠されていた、キム・ホンドとシン・ユンボクの愛の物語。
出演 : パク・シニャン、ムン・グニョンほか
提供元 : SBS Productions Inc.
話数 : 全20話
韓国放送日 : 2008年09月24日
KNTV初放送 : 2009年03月11日
登場人物
キム・ホンド 役/パク・シニャン
天才を見抜く天才、嫉妬する天才。 他を寄せ付けぬ圧倒的な才能で、若くして王の肖像画を描いた天才画家。 彼の絵を欲しがる者は数知れず、その値は想像を絶する。遊興好きで、冗談が好きで、人懐こく、風采のいい好男子。しかし、絵においては、他の追随を許さぬ天才。
シン・ユンボク 役/ムン・グニョン
(子役:キム・ユジョン)
並外れた才能に恵まれながら、男として生きるしかなかった悲運の天才。
非凡な才能ゆえに、女の身でありながら男としての人生を選ぶ。
父シン・ハンピョンの野心から、厳格な規律の図画署にこもって、型にはまった絵を描くよう強いられるユンボク。
シン・ハンピョン 役/アン・ソクファン
シン・ユンボクとシン・ヨンボクの父親。 図画署の元老画員で、英祖の時代から元差備待令画員として活躍した図画署の名門の一員。家門の名誉のために実の息子をユンボクの代わりに罪人に仕立て、女であるユンボクを男として育てるなど、家門のためなら何をしても罪の意識を感じない男。手腕があるというよりは、小策を弄する小人物。
シン・ヨンボク 役/イ・ジュン
(子役:イ・ビョンジュン)
ユンボクが女であることを知る、生徒庁で唯一の人物。子どもの頃から、優れた才能の持ち主であるユンボクを見守りながら、画家として、人間として惚れこむ。兄でありながらユンボクを密かに愛しているのだ。それを誰にも悟らせず、ユンボクに黙って寄り添い守りいたわる、純粋で不器用な恋をする。
キム・ジョニョン 役/リュ・スンリョン
すべてを手にしたが、誰の心も得られなかった男。 賎民出身で、市場に捨てられた孤児。生まれ持った感覚と才覚、そして並外れた決断力で、ゼロから身を起こし、絹と紙の販売を独占するまでになった。 記録を重視する正祖が王位に就き、紙を扱うキム・ジョニョンの勢力は一層強まった。交易で清の新文物に接する過程で芸術作品を見る審美眼を養った。 賎民の身分から脱するために系図買いをし、両班の娘と結婚するが、見下されているのは分かっている。彼はチョンヒャンの伽耶琴で寂しさを紛らわす。僻派の領袖チョ・ヨンスン大監から貞純王后までコネを持つ勢力家だ。
正祖 役/ペ・スビン
誰よりも強靭な君主だが、父親への恋しさを胸の奥に秘めた男。 王太孫の時代から、朝廷の大臣たちが一身の安楽のために悪事をいとわぬ姿を見て育ち、誰よりも強い王になろうとする。僻派の妨害を顧みず改革を断行、父親である思悼世子を復権させるために、ホンドとユンボクに秘密の任務を与える。 10年前の、絵師の死にまつわるナゾを解き明かし、思悼世子の肖像画を捜せというのだ。正祖はその肖像画を根拠に、思悼世子を復権させ、“罪人の息子”と自身を揺さぶる貞純王后と僻派を振り払い、新しい時代を開こうとする。
ホン・グギョン 役/チョン・インギ
都承旨(現代の大統領秘書室長に相当する官職)。 正祖の右腕であり行動隊長。野心家で快男子、キビキビとよく動き実利的。ホンドとユンボクとは適当な距離を維持し、彼らを僻派の暗殺の脅威から守り、チョ・ヨンスン大監とチャン・ビョクスをけん制する。ソ・ミョンソン大監と共に、正祖の政治勢力を成す人物。
貞純王后 役/イム・ジウン
幼い頃から王室をめぐる無血の戦争を体験しながら鍛錬した政治的感覚で、ヘビのように狡猾、野心に満ちた女。代々受け継がれてきた伝統遺物、または清からの珍しい陶磁器など、貴重なものを好む。