キム・レウォン(『君はどの星から来たの?』『食客』)主演作品
一見平凡な小市民(?)の“泥棒一家”と彼らを追いかける刑事たちの繰りなすドタバタ劇
○主人公キム・グァンスの奇妙な人となり
泥棒一家の家長キム・グァンスは前科12犯。徹底したプロフェッショナル精神とプライドで、新しい窃盗の手口を日夜 研究開発し続ける人物。しかし、困っている人、障害者、病人、学生のものは盗まないという泥棒の原則を固く守り、人には決して刃物を向けない。いわば、真夜中に暗闇の中で出くわしても、ちっとも怖くないタイプの泥棒。盗人としてのキャリアをもとに蓄積された、そんな窃盗のノウハウと原則は、彼が泥棒であるにもかかわらず、“絶対悪”とは言えなくさせるのだ。
○キム・グァンスの妻 パク女史の内助
キムグァンスの泥棒としての心意気を支えるのは、3度目の妻パク女史(ソ・スンヒョン)の夫への尊敬である。彼女の窃盗の前科もまた、盗人の女房として申し分がない。盗みのために夜の町へ出かける夫に、懐中電灯、のり巻き、軍手、非常用の尿瓶まで持たせる姿は、泥棒夫婦でなければ、どんなにか美しかろう。この完璧なコンビ、会話のほとんどが盗みに関する内容で、まさに夫唱婦随。運命というものがあるなら、それはこの夫婦の出会いを言うのかもしれない。最初の女房に捨てられ、2番目の女房には病気で死なれたキム・グァンスの、決して楽ではない妻の座に、パク女史は夫を尊敬しながら収まり続けているのだ。まさに夫唱婦随型。泥棒一家の完璧なるハーモニーはパク女史の努力の元に成り立っている。
○嫁ウォルスン
息が合うといえば、元スリの嫁ウォルスン(キム・ウンス)とパク女史のコンビもなかなかのもの。ターゲットの注意を引き付ける姑、そのスキにさっと盗む嫁。仕事での2人の息はピッタリだが、家に帰るとケンカばかり。お互い部屋に鍵をかけ、嫁は姑と舅を、姑と舅は嫁をけん制して様子をうかがう。そんなウォルスンだが、盗品買取業者で服役中の夫(イ・ギョンヨン)のに週に1度は面会するハートの温かい女だ。
○泥棒の娘に恋する刑事 ミンギュ
泥棒一家の中で唯一前科のない娘ミョンソン(キム・ウォニ)。彼女を愛し始めたチャン・ミンギュ(ソン・ヒョンジュ)は、ミョンソンの父親を保護観察する捜査課の刑事。たとえ泥棒の娘だろうとも、どんな障害も恋の行く手を阻めない。口下手で三枚目で、おおよそ刑事らしくないミンギュは、平凡な30歳の独身男。カードローンの支払いが遅れることもあれば、仕事中に居眠りすることもある。そして何の打算も下心もなく、心優しく美しいミョンソンに、ブラックホールに引き込まれるように夢中になっていくのだが…。
○捜査課の個性的な面々
捜査課の刑事らしからぬ刑事たち、面白いことに彼らもそれを知っているのだ。ホン班長(チョ・ヒョンギ)がおしゃべりなチュ刑事に言う、「お前が銃を持つと、まるで銀行強盗だな」。笑えて憎めない面々なのだ。ホン班長は警察という組織の生理に飼いならされてしまった刑事。出世命で、何とか出世コースに乗ろうと東奔西走する。だがそんな姿に人生の悲哀がにじむのはなぜだろう。同じくチュ刑事からも人間臭さがにじみ出る。一言多くて、何でも大げさにしゃべるのは、カネもなければ力もないのをカバーするためであり、人を欺こうなどというズルさではなく、純粋さの表れなのだ。
■みどころ
出演 : キム・レウォン、キム・ウォニほか
提供元 : SBS
話数 : 全34話