あらすじ
李王朝第17代王・孝宗(在位1649~59年)の時代に生まれたギルサンは、芸人チャン・チュンの助けを受けながら才人村で成長し、力士イ・ガプソン、ソンド商人の頭目パク・テグン、九月山の盗賊マ・ガムドンらと親交を結ぶ。そして海州の奸商シン・ボクトンを成敗しようとして捕まり死刑囚となるが、パク・テグンの助けで脱獄に成功する。ギルサンは、娼妓ミョオクと情を交わしたものの両親の意志に逆らえず、ボンスンと結婚する。しかし志を抱いて金剛山に入り、ウンブ大師の教えを受ける。そこで次第に「民」に対する認識を新たにする。 粛宗10年(1671年)、大飢饉が発生し、ギルサンは官庁と富豪を襲い、飢えた民の救済に力を注ぐ。『チャン・ギルサン』の名は民衆の間で囁かれるようになり、朝廷が討伐を命じたことで、かえって活躍を世に知らしめることになる。丁卯年(1687年)の4月、立国の志士たちが九月山に集合する。やがて王朝が滅びるという噂や怪文書が飛び交い、弥勒が降臨し龍花の世が到来するという信仰が広がった。ギルサンはオンジン山に陣地を築き、官軍と対決するため資金調達に奔走する。その一方で、大事を企てて捕まったコ・ダルグンはギルサンを密告してしまう。討伐隊のチェ・ヒョンギが急襲するが、ギルサンらは一命を取り留める。後にギルサンはコ・ダルグンを懲戒に処し、チェ・ヒョンギを処断する。 その後、海西(黄海道)と関北(咸境道)一帯でチャン・ギルサンを自称する輩が出没し、朝廷は頭を痛めるが、ギルサンを見たものは誰もいない。