あらすじ
昔、親もなく、さげすみと困窮の中で生きる一人の少年がいた。 少年の夢は、父親が現れて、自分を苦しみから救い出してくれることだ。 少年は次第に、自分を助け出してくれる父親は、頭突き王キム・イルだという幻想を抱いていく。自分の父親は、頭突き王キム・イルであり、すぐに自分を救い出してくれるだろうと固く信じるようになる。
少年の父親は、息子の存在も知らず、刑務所の出入りを繰り返すケチな詐欺師。 少年の父親は、キム・イルになりすまし、全国を詐欺行脚。 女性教諭の尽力で、この父子が対面する。 “幻想”と“ニセ”の出会いであり、実の父親と息子の再会である。
すなわち、息子の夢を壊さぬために懺悔と犠牲の道を選ぶ、ケチな詐欺師の物語なのだ。