女王の条件
SBS朝のドラマ史上最高の視聴率を打ち立てたドラマ
■話題
朝の連ドラに新しい風が吹いている。何年もの間、不動の地位を築いてきたKBSの『TV小説』にSBSが果敢に挑む。夫に捨てられても、強くたくましく自らの道を切り拓いていくヒロイン「ヨンジュ」を描いたSBS朝の連ドラ『女王の条件』は、回を重ねるごとに視聴率を上げ、ライバルであるKBS朝の連ドラの牙城に迫っている。視聴率調査会社の集計の結果、2005年5月9日の初回では7.8%程度の留まり、その後も徐々に上昇していた視聴率が6月に入るなり急上昇、そして半ばには17.2%の最高視聴率を記録し、1位を堅持してきたKBSの朝の連ドラを見事に追い抜いた。『女王の条件』突風の主役は何と言っても、映画『マラソン』でそのスター性を世に知らしめた後、ドラマに戻ってきたキム・ミスクである。優雅で知的な女性を演じてきた彼女は、元気がよくて力強いオバサン「ヨンジュ」で今までとは違ったキャラクターに挑む。不倫と裏切りが主だった朝の連ドラで、シングル・マザーの成功記を扱ったという点も支持を得た部分だろう。『女王の条件』突風がどこまで続くか、そして視聴率はこのまま伸び続けるのか、その動向が注目されている。
「大韓民国のオバサンパワーを見せてやる!!」 まるで叩きつけるようなこの言葉には、これまで不倫を扱っていた朝の連ドラからの脱皮を宣言すると同時に、暗くなりがちだった不倫モノを、明るく、ポジティブに、コミカルに描き、受け身ではなくアクティブに生きていく今風の女性を描くべく決意が現れている。何よりもキム・ミスク扮するオ・ヨンジュの置かれた状況が、視聴者の共感を得ているのは言うまでもない。10年間家庭を支えながら、家賃生活からヴィラへ、ぐうたら亭主を中小企業の社長に就かせるなど、主婦としての役割を完璧にこなしてきた彼女が、亭主にまんまと浮気され離婚に至るのだから黙って見逃せるわけがない。たった5百万ウォンの慰謝料しかもらえなくても、最後まで諦めることなく夫への復讐を誓うヨンジュは、既存のドラマとは180度方向転換した新しいタイプのヒロインなのだ。更には夫に裏切られた平凡な主婦が、強く生きていく過程が、感動的かつ、コミカルな軽いタッチで描かれており、女性視聴者の絶大な人気を得ている。このドラマでわかることは女性の変化。昔のようにつらいことがあってもひっそりと涙を流す受け身のキャラではなく、自分自身が何者かを追求するアクティブに生きていくという点だ。当然ドラマの人気度は視聴率にそのまま反映されていて絶好調!!
出演 : キム・ミスク、キム・ビョンセほか
提供元 : SBS
話数 : 全131話
韓国放送日 : 2005年05月09日
KNTV初放送 : 2006年01月10日
登場人物
キム・ミスク(オ・ヨンジュ役)
39歳、韓国の代表的なオバサン。
子供の頃から良妻賢母になるのが夢で、今も「オバサンは国の大黒柱」と信じてやまない結婚10年目の専業主婦。夫のグァンスとの間に7歳になる娘「ユリ」に恵まれ、理想的なスウィートホームを築いた、自称ウルトラプレミアム級のスーパー主婦。
キム・ビョンセ(ハン・ソンウ役)
37歳、大型流通会社社長の婿、本社の購買部チーフ。
冷静で理知的、仕事中毒の末期患者。心は温かい理想的な(!?)二重人格者。アメリカ留学中結婚したものの一年で別居して帰国、息子のウジュと一緒に七転八倒しながらやもめ暮らしをする。
チョ・ミリョン(ナム・ナンジュ役)
29歳、「成せばなる」主義の楽天家。
スタイリストという職業柄、全身をブランド物で覆いつくしているので、ちょっと小金持ちに見える傲慢な女。でも実は、贅沢と見栄でクレジットカードの使用が止められそうになっているうえ、知っているのはブランドの名前だけ。
イ・ウォンジェ(パク・ヨンナム役)
■イ・ウォンジェ(パク・ヨンナム役)
48歳、ヨンジュの義理の兄、ヨンスンの夫、模範タクシーの運転手。
働いた金は自分のことにしか使わないケチ男。ちょっぴりハンサムで1歳年下であることを楯に威張り散らす、時代錯誤的な感覚の持ち主。
クォン・キオク(オ・ヨンスン役)
49歳、幼い頃からヨンジュの面倒を見てきた姉。
ヨンジュが甘えられるただ一人の肉親。ぽっちゃりふくよかで、40年間変わらないおかっぱ頭がトレードマークになっている。自分勝手な夫との生活で、涙、鼻水が絶えることがないが、ヨンジュにとっては故郷のような存在。
ソン・ヒア(パク・チョロン役)
26歳、ヨンジュの姪でありヨンスンの娘。
心優しくて頭もキレ、生活力もあるけれど、1つだけ足りないのは母親譲りの顔。可愛らしい「チョロン」という名前とは打って変わって、いつもミーティングではブスの扱いしか受けなかった。だがそんな言葉にめげることなく、いつか必ず自分の良さをわかってくれる男性が現れると信じている。結局、ヨンジュの有機農場で「運命の人」と出会うことに。ヨンジュの右腕となり、次々とアイデアを提供する心強い協力者。
イ・ジョンマン(キム・ガプセン役)
60代、ヨンジュの義父、グァンスの父親。
時には娘のように、そしてまた恋人のように面倒を見てくれる嫁、ヨンジュのおかげで何の心配もなく老後の生活をエンジョイしていた新世代のおじいちゃん。嫁の勧めでお見合いパーティーや趣味、海外旅行を楽しんでいたところへ息子の浮気が表沙汰になりショックを受ける。
チェ・ジュニョン(ナム・サングク役)
33歳、ナンジュの兄であり有機農業会社『グリーン・フィールド』の企画室長。
妹と一緒に親戚の家をたらいまわしされ苦労しただけあって、自分勝手で冷徹、そしてずる賢い男でもある。
ファン・ドンジュ(イ・ミンギュ役)
29歳、ハン・ソンウの義理の弟、ナンジュの元カレ。
ナンジュとの結婚を夢見たが、家族の反対で断念する。後にナンジュと会うが結婚のニュースにショックを受ける。ヨンジュと同じ職場に勤務する。
ユ・ジンス(キム・ユリ役)
8歳、グァンスとヨンジュの一人娘。
年相応のおてんば娘が両親の離婚をきっかけに成長し、母親の支えとなる。
カン・サン(ハン・ウジュ役)
温かい家庭に恵まれなかったうえに、突然父親と暮らすことになって、わがままな子供になったが、ヨンジュのおかげでソンウと仲直りする。母性に飢えていてヨンジュを実の母のように慕う。