9回裏2アウト

思春期の30歳、愛と人生、真っ向勝負

思春期の30歳、愛と人生、真っ向勝負

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野球は人生に似ている。ピンチの後には必ずチャンスが来るという、その流れの美学。チャンスは4番打者のホームランから来ることもあるが、相手の失策から流れがひっくり返ることもある。必殺技で勝負すべき瞬間もあれば、送りバント、犠牲フライ、敬遠のように今を犠牲にして後の勝負に期する瞬間もある。ピッチャーは常にバッターを欺き、バッターは、ピッチャーの計略を読みながらタイミングを狙う。試合中の油断は一瞬たりとも許されない。毎回、毎瞬間、どの失投が、どのスイングが、どのエラーが、試合をダメにしてしまうか分からないからである。このドラマは30代に差し掛かった私たちの物語だ。30代の私たちは9回裏2アウトの状況に置かれている。もちろん、7回くらいに決定打を放ち、余裕の人生を楽しむ30代もいるだろうが、それはごく一部。あらゆるチャンスと試練の連続で、何とか試合を引っ張ってきた我々。愛に疲れ、希望に裏切られ、冷たい世間に面食らいながら、身も心も満身創痍で9回裏に挑む。最初の打席はもたもたしてるうちに終わり、2回目の打席は無謀なスイングで空しく散った。すでに体力も限界、逃したチャンスに対する後悔が頭の中を支配する。前の回に受けたデットボールのせいで、打席に立つことさえ恐ろしいが、だからといって希望を捨てることも出来ない。100%希望がなくなるまであきらめられないのが野球で、100%希望がなくなったとしても、生きてゆかねばならないのが人生の残酷なところ。 9回裏2アウト。打席に立った我が選手たち。この頼りない面々が、どんな試合を見せてくれるのだろう。夢のような話だけど、“サヨナラホームラン”という大逆転ストーリーが、飛び出さないとは限らない。野球解説者ハ・イルソンの名言があるではないか。“野球… 実に何が起こるかわからない”。

出演 : スエ、イ・ジョンジンほか
提供元 : 2007MBC
話数 : 全16話
韓国放送日 : 2007年07月14日
KNTV初放送 : 2008年09月01日

登場人物

ホン・ナニ役/スエ
■ホン・ナニ役/スエ

8つの時にサンタはいないと気づき、14歳でこの世の中心は自分じゃないと悟り、17歳で男を知り、二十歳で愛を知り、27歳でこの世に永遠など存在しないと確信し、三十で…宴は終わったのだと身をもって悟った。

ピョン・ヒョンテ役/イ・ジョンジン
8つの時、ナニ経由でサンタがいないことを知り、13歳でスカートの中のファンタジアが気になり、17歳で自分がオスとしての競争力が相当あることに気づき、二十歳で愛を知り、23歳で恋をし、27歳でこの世に永遠はないと確信し、三十で… もう彼女を忘れたのだと錯覚している。青春は全て“愛”を追うのに使い果たした。早くから空振りばかりしていたナニに比べると、彼のゲームはそれなりに順調だった。ノーヒットノーランを記録し、勝利を収めるかに見えた彼。

キム・ジョンジュ役/イ・テソン
大学3年、大学野球のピッチャー。真っ黒く日に焼けた顔、スポーツで鍛えた体。まだ世の中の垢にまみれていない純粋な眼差し。爆走する青春!英語学院で出会ったナニに一目ぼれし、冗談じゃないと断る彼女を追い回す。必死に断るナニだったが…。大事な試合を勝利に導き、グローブを放り投げてこの世の全てを手に入れたような笑顔でスタンドに走るジョンジュ。スタンドのナニを抱き上げ肩車をし、満員の観衆が見守る中、グランドを走り回る。感動しない女がいるだろうか…。

8つ年下の彼氏。

ユン・ソンア役/ファン・ジヒョン
クラシックギター奏者。

両親が外交官だったため、子供の頃は主に外国で育ち、5歳でスペインでギターを始める。太陽のようで風のようで大地のようで空のようで、水をまかれたばかりの芝生のようなみずみずしくカッコイイ女。幸せな時や、嬉しいことがあった時、その表現があまりに強烈で、全世界に彼女の幸せが伝染しそうな、そんな女。

イ・ジュンモ(30歳)役/イ・サンウ
高校時代のナニの彼氏。ナニと別れて、家族と一緒にアメリカへ移ったジュンモは、当時の49倍はイイ男になって戻ってきた。折り目正しく小ギレイで、温厚で気配り上手で、自分よりも他人のことを思いやる性格は、昔のまま。ヒョンテのライバル会社に勤める。毎回コンペでぶつかり合う。だからといってヒョンテと仲が悪いのではない。仲もいいしよく遊ぶが、勝負になるとどちらも真剣。

キム・チュニ(30歳)役/チョ・ウンジ
ナニの高校時代の同級生。若い頃から家の家事と生活を任されてきた悲運の女。首席で学校を卒業するも、大学は入試すら受けられなかった。大学には進学できなかったが未練はない。カード会社の督促電話担当社員。

チョン・ミギョン(30歳)役
ソン・ジョンミン

ナニとヒョンテの大学の同期。法曹界の名門一家の末娘。もともと賢かったため、じきに法曹家になるだろうと当然のごとく思っていた家族たち。しかし、家族の反対を押し切って、孤児で何一つ取り柄のない大学の同期と結婚すると宣言。それでもミギョンは両親の祝福を受けたかった。この件があるまでは限りなく平和で幸せな家庭だった。

パク・サンフン役/チャン・ジュニ
ナニとヒョンテの大学の同期で、ミギョンの夫。背が低く、丸顔でよく笑う愛嬌者…だった。もともとは。最近は、顔も唇も血の気が引いて、微笑を忘れたうつろな眼差しで、今にも何かを仕出かしそうな不安な感じだ。友人たちは口にこそ出さないが、サンフンのこんな状態を心配していたところだった。そして友人たちの集まった席で、ミギョンが爆弾宣言を行ってしまう。

パク・ジソン役(24歳)/パク・ヘヨン
ヒョンテの同僚、そして恋人。広告代理店で問題になっているコネ入社。デジョン一の酒卸売り業を営む社長の一人娘。要するにヤクザの娘ということだ。事実彼女は最初から社員ではなかった。コネ入社はのっそりもったりしてるといわれないために、誰よりも熱心に頑張ったが、誰もわかってくれない。同僚たちの陰口に傷つかないために、いっそ堂々としていようと決心した。同期たちは彼女を偉そうで金持ちを鼻にかける浅はかな人間だと村八分にし、彼女は全く意に介さないようなそぶりをするが、実はひどく傷つき、同僚たちの冷たい視線に孤独を感じる。

チャン・チュジャ役(49歳)
ファン・ソッチョン

ナニが勤める出版社の女性社長。あだ名、酋長。会社の主な業務は、日本のマンガの輸入出版。だが、日本のマンガの市場は大きく、80パーセント以上は大手出版社を通して出版されるのが現状である。しかしたくましいチュジャは、その隙間で取引の中間に入り込み、裏技や手管を駆使していくつかのマンガ版権をゲットし、何とか給料程度は稼いでいる。

イム・ナッピン役(38歳)
イ・ドゥイル

ナニが勤めるの出版社の部長。あだ名:副酋長(本人の名前とは関係なく、社長のおかげでこんなあだ名にされた、大迷惑なケース)。

大手企業の営業部長だったが、リストラされて出版社に流れてきた。

いまだに大手への郷愁に浸っている。家では冷や飯扱いの家長、会社ではバカにされる部長。世間に見捨てられた男。全てを失って郷愁だけが残っている男。そんな彼が… チュニと出会う。

キム・シンジャ役/キム・チャンスク
二十歳で家の紹介で会った男との結婚を数日後に控えたある日。

本土からやってきた男と恋に落ちて駆け落ち。詩人の夫を懸命に支えながら暮らしてきた。自称詩人だが、10ウォンのカネも作れないのらくら者だった。だから父親に似て小説を書きたいとパタパタ駆けずり回るナニを見ると、腹が立ってたまらない。夫はカネもないくせに人ばかり好くて、町内中の保証人を引き受けトラブルばかり。

ピョン・ジョンウ役/イ・ヒド
ヒョンテの両親。

平凡で穏やかで変わらない夫婦。相変わらず済州島で民泊をしている。ナニをとても可愛がっている。遊びに行こうものなら、いまだに5歳の女の子を相手にするように、これ食べなさい、あれ食べなさいが始まる。ナニと3人で花札をしだすと、夜が更けることも忘れて熱中する。ナニはこの家に産まれるべきだったのに。それこそ相性のいい親子だったろうに。

シン・ジュヨン役(18歳)/イム・ユナ
高校3年生、インターネット小説家。

出版社を通じてナニと出会う。そしてナニを通してジョンジュと出会う。

高校野球からのジョンジュのファンだったジュヨンは、それ以降ナニと恋のライバルになる。まったく…。12歳も年下の恋敵とは。ホン・ナニ、人生実に情けない。

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