カムグンのママ
人種差別と偏見に染まった社会を垣間見る特集ドラマ
■コシアン[kosian]
韓国人とアジア人の間に生まれた子供たちを指す言葉。 1997年、外国人労働者問題を研究する市民団体が最初に使用した用語で、韓国人[Korean]とアジア人[Asian]を掛け合わせて出来た。 一年に3万組、農漁村では男性4人に1人は国際結婚をする。年々増加傾向にある国際結婚に伴い、現在2万人に及ぶ“コシアン”はますます増え続けるだろう。 “わが民族の民、檀君の子孫”ではないけれども、確かに大韓民国の国民である彼ら!しかし、ほとんどの“コシアン”たちが、“単一民族”という根深い排他的な風土の中、“混血児”という理由で疎外されている。 民族最大の祝日である秋夕を迎え、お隣さんや家族になることもあり得る“コシアン”について、理解を深めるきっかけを作りたい。秋夕は“わが民族の民、檀君の子孫”だけではなく、この国に住む誰もが、一緒に迎えるものだから。
あなたは子供の頃、「あの子と遊ぶな」と言われたことはないだろうか。あなたは今、「あの子と遊ぶな」と子供に言ってはないだろうか。 一緒に遊ぶなと念を押したくなる“問題の子”がミョングンである。 ある男の妻になりたかったが、そんな子の母親には決してなりたくなかったドスン。 彼女は言う。 “わが子でさえ育てるのがおっくうだと捨てる時代に、子供を産んだこともない私に母性本能を望むのはとんでもない話”だと。 彼女はこうも言う。 “少し勉強ができて、あまり問題を起こさないで、混血でさえなければ、自分の子のように大事に育てることも出来たはず”と。 彼女の選択を追ってみると、自分と血の通わない子は絶対に受け入れられないという血統主義と、白人には寛大で、外国人労働者は見下すという人種差別、その二つの偏見に染まっている我々の姿と出会うだろう。
出演 : キョン・ミリ、イ・ウォンジョンほか
提供元 : SBS
話数 : 全2話
韓国放送日 : 2006年10月07日
KNTV初放送 : 2006年11月24日
登場人物
イ・ドスン役(39才)
キョン・ミリ
町外れのクッパ屋を営んで5年。
生まれ持ったど根性で金を少し貯めた。関心のあることといえば金だけだったが、40を目前にしてサンモクと恋仲になる。
彼に息子が一人いると知ったが、“この年で嫁に行くのに、そのくらいどうってことない”と思った。しかし、その子は混血だった。
肌の色さえ普通なら、大人しければ、いや、勉強さえ出来たら育てることも出来たのに…。
とにかく気に入るところが一つも見当たらない子供なのだ。
チョ・サンモク役(45才)
イ・ウォンジョン
ミョングンのパパ。
はたから見ると優柔不断だが、知り合ってみると情が深い。
気持ちが優しすぎて“いいよ”とは言えても“イヤだ”とは言えない。
10年前、年老いた母に急かされてテレシタと結婚したが、今度はドスンの愚痴に負け、ミョングンを捨てるかもしれない。
チョ・ミョングン役(9才)
キム・ジハン
あだ名は“カムグン”、サンモクとフィリピン出身のテレシタの息子。
“最近の子は怖い”という言葉が口をついて出てしまうくらい、スペシャルクラスの問題児。“9歳児が何であんなことを!”と思われるようなことをするのはドスンのせいなのだ!
母親の居場所とパパの心を奪ったばかりでなく、ミョングンを韓国から追い出そうとまでする。
ドスンが自分をいじめる前に、自分が先に困らせてやろうと決心するが、離婚の危機に直面した父親のために、結局フィリピンに帰ることにする。