彼女はボス
暴力団のナンバースリーとマヌケな修道士の一発勝負
人生の裏街道で生きる暗い暴力団の話ではない。どうしようもない状況に追い込まれたボスの娘ハ・へギョンは、組織のナンバースリーと修道士のおかげで明るく生きる。人の意志と愛は、疎外された人生をも変えてしまうのか。主人公のナンバースリー、イ・ドンギと優等生のミカエル、そしてユーモアに溢れるハ・へギョンの姿は、再び人生の意味を考えさせ希望を与えるだろう。何よりも見ごたえがあるのは、考えるより先に手が出てしまうドンギと、へギョンの武術対決かもしれない。またこのドラマが笑いと涙を誘うのは、義侠心の強い男の純愛と、破戒してまでも女を守ろうとしたマヌケな修道士の純情と運命、いつもは強気なへギョンの父に対する愛と、運命的な男女の恋、本当の友情とは何かを思い知らされるからだろう。
出演 : リュ・シウォン、アン・ジェモほか
提供元 : KBS
話数 : 全20話
韓国放送日 : 2003年11月10日
KNTV初放送 : 2004年10月04日
登場人物
リュ・シウォン(ミカエル役)
名前はユ・ホミン。ドラマでは洗礼名のミカエルと呼ばれる。イエズス会所属の修道院図書館で司書補助の仕事をしている。物静かで無駄口をきかぬ純真な青年で、頑固者。へギョンと一緒に仕事をすることを嫌うが、毎日ケンカしながら過ごす。天然ボケで問題を複雑にして、ドンギに憎まれるミカエル。だが、いつしか二人の義理はへギョンの存在を乗り越えてしまう。そしてミカエルの後ろには大きなグループがあることが分かり……。
アン・ジェモ(イ・ドンギ役)
組織のナンバースリー。考えるより手が早い男。もう少し頭を使えばナンバーツーになれるのに……。歳もそれなりにくっているし、口数も少ないため思慮深く見えるが、実際には何も考えてなかったりする。義侠で固まった強気の腕っ節が長所だが、いかんせん女に弱い。それで江南のつばめというニックネームがついている。落ちぶれて行く組織を建てなおすのは、へギョンしかいないという結論をいち早く出した男。
カン・ソンヨン(ハ・へギョン役)
ボスの娘であり、英文学博士でもあるヒロイン。大学の非常勤講師をしているが、突拍子のない行動で世間を騒がせる。世の中に怖いものなどない彼女が、もっとも恐れる父親の跡を継ぐなんて誰も想像しなかったこと。武道に長けていて義理に生きる無法者、居眠りする学生のおでこをチョークで狙い撃ち、曲がったことが大嫌い、アニメ映画を見ては泣き、夜通し携帯で花札ゲームをする感傷的な娘が、組織のボスとは。しかし、組織は彼女を必要としていた。対抗組織が静かな引退を望む父親の命を狙っていたのだ。ただならぬ状況下で本領発揮となるのか……。
イ・ジュンムン(イム・ホテ役)
肉体派のイケメン。朝、新聞を読まなくてもスポーツクラブに行かないと気がすまないほど体作りに執着する男。だが、不幸なことに女に興味がなく、スピード狂でスポーツカーに目がない。外車を見ると美女を追うようによだれをたらすが、車以外に関する情報は無きに等しい。
兄貴分のドンギは、彼の恵まれた容姿が惜しくて「黙ってカッコつけてろ」と言うが、危険な場面でいつも核爆弾のようなトラブルを起こす。が、たまに見せる勘のよさと愛嬌が憎めなくて突き放せない。
チャ・スンファン(ム・イルソプ役)
自称ギャラリーユン。へギョンを姉と慕う男。早く金を稼いで性転換手術を受けたいと願っている。長い髪を束ねている以外は化粧気もないので表向きには可愛らしい男に見えるが、一日中鏡とにらめっこしている。孤独でいつまでも子供のへギョンに、時には小言の多い弟のように、時には母のように接する。自分を人間扱いしないイム・ホテに恋心を抱き、恋の病に苦しむ。
イ・デグン(ハ・チュンシク役)
へギョンの父で、江南一体を牛耳る組織のボス。定年退職してのんびりした田舎暮らしを望んでいる彼の最後の願いは、娘のへギョンを国会議員チャン・ソンテクの息子と結婚させ、アメリカに留学させることだ。与党の実力者であるチャンの嫁になれば、へギョンの身の安全は保障されたも同然である。娘の本性を知らぬ父は娘を敵から守ろうと頭を痛め、精神科で薬をもらうほど過敏になってしまい、組織全般を側近のナンバーツーであるペ・ジンチョルに任せている。
チョン・ボソク(ペ・ジンチョル)
頭脳派タイプの男。イ・ドンギと同じ年齢だが、組織のナンバーツーになっている野心家。勝負欲が強くて卑怯な男。誰もそんな彼の腹黒さが分からないが、ドンギだけは見破っていた。ジンチョルは表の顔とは違い、心の底ではへギョンが結婚しなかった場合は強硬手段に踏み切る恐ろしい計画を企てていた。
イ・グンヒ(ハム・ジョンス)
洗礼名はトーマス。へギョンの父親でボスであるハ・チュンシクの故郷の友人。人柄が良くて尊敬されるが、持病の痔がひどくなると神経質になって早口になる。ミカエルを父のように愛するため、彼がへギョンのために修道院を去ることになると悲しむ。心に迷いを持つミカエルを立ち直らせ、再び信仰の道へと導く人物。