ヨンドの口癖のひとつに「また何をそんなに~なんだよ。 ~するだろ」というのがあります。たとえば「また何をそんなに言い返してくるんだ? ワクワクするだろ」というように。自分の言いたいことを、相手が気分を悪くしないように遠まわしにいう表現で、すごく面白くて気に入っています。


− まずはあいさつをお願いします。
こんにちは。『相続者たち』でチェ・ヨンド役を演じたキム・ウビンです。よろしくお願いします。


− 作品の紹介と演じた役柄の紹介をお願いします。
家の事業を相続することになる、後継者たちの痛みを描こうとしています。登場人物それぞれの興味深い話や、彼らの抱える心の痛み、悲しい物語が多くの人に共感を与え、また楽しんでもらえると思います。僕が演じるヨンドは、高校2年生でホテルの後継者です。ヨンドもまた、特別な痛みを抱えている人物なので、みなさんにも共感していただけると思います。


− 出演を決めた理由を教えてください。
いちばんは、キム・ウンスクさんの脚本であることです。以前『紳士の品格』にも出演させていただきましたが、とても面白くて、キム・ウンスク先生の書く台詞の魅力にハマってしまいました。その時は出番も少なく、また、僕自身がまだ未熟で余裕のない時期だったので、いつかもっと成長して、チャンスが来たら、また先生の作品に出演したいと思っていました。思いがけずすぐに声をかけていただけたのでありがたい気持ちで出演しました。ドラマの内容も面白くて共感もできました。


− 高校生の役づくりで、気を遣ったことは?
今回の撮影は、ひげが伸びるのが早くて……(笑)。前回まではあまり気にならなかったのですが。同世代の共演者たちが大勢出演するので、いかに皆と親しくなれるかということにもこだわりました。イ・ミンホ先輩もそう考えていて一緒に努力しました。それから、最近の高校生たちが、いま何に興味をもち、どんなことを考えているのか。実際に聞いてみたり、調べたりしながら役づくりしました。自分が彼らを代弁する役割でもあるんだ、と思ったからです。


− ドラマの人気の秘密をどう分析しますか?
脚本家さんの文章力、監督さんの演出力に尽きると思います。また先輩たちが後輩を引っ張っていってくれたおかげでもあります。共演者たちの息もぴったりでした。自分が知る限りでは、誰かが声を荒げたり、摩擦が起きることもありませんでした。それだけ息が合い、良い演技ができたということです。それが視聴者にも伝わったんだと思います。


− キム・ウビンさんの実際の高校時代はいかがでしたか?
そうですね、ドラマのイメージとはちょっと違います。日本の方はわからないかもしれませんが、韓国では高校生たちの入試や試験に対する圧迫感が凄まじいんです。そんなときでも、自分は昔からモデルの仕事を夢見ていて、両親もそれを応援してくれていたので、そんな試験のプレッシャーに押されることもなく、好きなことに打ち込むことができました。


− チェ・ヨンドと似ている点はありますか?
似ているところは……顔?(笑) アハハ。いや、そうですね、ヨンドとは似ていないかもしれません。最初に演技を習ったとき、先生から「嘘をついてはいけない」ということを強調されました。ですからいつも演じるときや役づくりするときは、なるべく自分の内面をさらけ出そうとしています。もちろん、自分が演じているわけだから、すべて自分なのですが。性格はけっこうオープンなほうだと思います。涙もろいですし。母親がそういうタイプなんです。少女のようで、感性的で。だんだん、母親の影響が自分に出てきているのを感じます。だからドラマのイメージとはちょっと違うかもしれません。


− キム・タン(イ・ミンホ)にはない、ヨンドだけの魅力は?
思うことをストレートに表現することでしょうか。長所であり短所でもありますが、ヨンドの人と違うところだと思います。ヨンドは自分のやりたいことを積極的にアピールし、表現するんです。


− 柔道のシーンが出てきましたが、普段、どんな運動をしますか?
体ひとつでやる運動は好きですが、球技はあまりしません。ドラマで出てきた柔道ですが、実はこれまで一度も経験がなかったんです。柔道をやる相手として登場した父親役のチェ・ジンホ先輩は8年も柔道選手だった経験があるんです。撮影前に先輩から教えていただけたおかげで楽しく撮影することができました。カメラにもいい場面を押さえていただき、実際よりはカッコよく映ったんじゃないかと思います(笑)。運動は普段からよくするほうなのですが、その分、よく食べるんですよ。よく食べ、よく動くが主義なので。


− 名台詞も多いですが、記憶に残る言葉はありますか?
ヨンドの口癖のひとつに「また何をそんなに~なんだよ。 ~するだろ」というのがあります。たとえば「また何をそんなに言い返してくるんだ? ワクワクするだろ」というように。自分の言いたいことを、相手が気分を悪くしないように遠まわしにいう表現で、すごく面白くて気に入っています。だからいまでも友だちに対して使ったりしています。こんな面白い表現を言わせてくれた作家さんに感謝しています。


− 2013年、もっとも注目を浴びた俳優のひとりでしたが、人気を実感していますか?
以前よりも、みなさんから多くの関心と応援をいただけてとても嬉しいです。その半面、プレッシャーもあります。初めて俳優の道を歩みだしたとき、ゆっくりと実力とキャリアを積んで、その時に認めてもらえたらいい、と思っていましたが、自分が思っていたよりも、事務所が思っていたよりも早く応援してもらうことができました。いまはただ、みなさんの応援に応えられるようにベストを尽くしています。これからも応援していただけると嬉しいです。


− 現在はどのように過ごしていますか?
ドラマが終わったら、急に忙しくなり、いま、伸ばし伸ばしにしていた仕事に挑戦しているところです。ドラマに出ているときはドラマでしかみなさんにお会いできませんでしたが、いまはMCをしたり広告モデルの仕事をしたりと、さまざまなメディアでみなさんにあいさつできるので、それがとても嬉しいです。そんな仕事を楽しみながら過ごしています。


− 日本の媒体向けのインタビューということで、日本のことも伺いたいです。日本の好きな場所などがあれば教えてください。
実は日本には一度も行ったことがないんです。何度も行ける機会があったにもかかわらず、そのたびに別の予定と重なったりして。とても行きたいのに残念です。隣の国でもありますし、ファンの方にも会ってみたいです。日本にはいいところがたくさんあると聞いています。美味しいものも食べてみたいですね。




− 最後に、日本のファンにメッセージをお願いします。
4月から『相続者たち』でお会いできますね。一生懸命、そして楽しんで撮影したドラマですので、ご期待ください。ご覧になればきっと楽しんでいただけると思います。キム・ウビン、そしてチェ・ヨンドをよろしくお願いします。近いうちに日本に行って、みなさんともお話してみたいです。どうかそれまでお元気にお過ごしください。


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