>『師任堂(サイムダン)、色の日記』<完全版>に出演を決めた理由は?
『師任堂(サイムダン)、色の日記』は女性の物語です。『宮廷女官チャングムの誓い』もそうでしたが、500年前の女性も現代の女性と同様に、母として妻としての悩みもあり、自分だけの仕事を見つけたいという意欲もあります。500年前も今も変わらないな…と、比較しながらご覧頂ける面白い作品です。また、一人二役ということで、俳優としても多彩な演技に挑める喜びを感じて出演を決めました。

>久しぶりに時代劇の伝統衣装に袖を通してみていかがですか?
『宮廷女官チャングムの誓い』で、韓服(伝統衣装)の新たな魅力を知りました。国内のみならず、海外でも多くの方が韓服の美しさに感動し、関心を寄せてくださいました。幸いなことに、『師任堂(サイムダン)、色の日記』<完全版>でも多彩な韓服の趣を感じて頂けると思いますので、見どころの一つに留めて頂けたら嬉しいです。

>サイムダンとイ・ギョムは同じ人をずっと愛し続けます。一途な愛に対するイ・ヨンエさんの意見を聞かせてください。
現実には難しいからこそ、こういう作品が好まれるような気がします。『冬のソナタ』もそうですし、『宮廷女官チャングムの誓い』もそうですね。1人のために一生を捧げ、命をも捧げられる方は少ないのではないでしょうか。そうしたいけど出来ない、そんな現実をドラマで見られるファンタジーが、視聴者の共感を得られるのだと思います。

>ソン・スンホンさんとの初共演はいかがでしたか?
子持ちの母親なのに、こんなにカッコいい方とご一緒できてとてもうれしく思っています(笑)イ・ギョムとのラブラインがありますが、恋愛を演じるのは10年ぶりです(笑)。すごくドキドキしてしまいます。NGを出してしまい、お互い慣れるまで延期しようということになり、重要なシーンは後回しにしたんです。ソン・スンホンさんが時代劇ですごくカッコイイので、現場で女性スタッフが注目しています(笑)。私はうらやましくて、ソン・スンホンさんをライバル視しているんですよ(笑)

>私生活でも結婚され、2児の母となりました。演じるうえで以前と心境の変化などはありますか?
私も妻となり母親となって、世の中を見る目が広く深くなりました。特に子どもを育てる母親の立場から見渡すことができるようになりました。本作を選んだ理由の一つは脚本が面白かったからですが、サイムダンを通じて女性の人生の悩みを解いてみようと思いました。それは、私が妻であり母親であるからなんです。サイムダンも、いわゆるキャリアウーマンですよね。有名な画家として仕事をしながら家庭を営んでいた女性です。その時代でも悩みはあったでしょうし、私も仕事をする立場です。1人2役を演じ、過去と現代の女性の生き方とは何かを表現してみたいと思いました。韓国のみならず、女性であれば世界中どこに住んでいても共感できる内容ですので、十分に共感を得ることができると信じています。

>『宮廷女官チャングムの誓い』以来13年ぶりの復帰作ということで世界中で期待が高まっていますが、もう一度韓流ブームを起こすことができると思いますか?
韓流に旋風を起こすことができれば本望ですが、すべての方が共感できる人間の物語だと思うので、一緒に泣いたり笑ったりすることができる作品になればと思います。このドラマを通じて韓国の新たな美しさを見せたいと思います。アジアの人みんなが楽しむことができる作品だと思います。

>本作への出演を決めた何か特別な縁があったのでしょうか?
とても個人的な考えなので信じていただけるかわかりませんが、良いことがあるときは、良い気運を受けていると感じるのです。『宮廷女官チャングムの誓い』のときもそうでした。本作も制作過程で偶然の一致も多く、良い気運が流れているのを感じています。一つ面白いエピソードがあるのですが、私が結婚して子供を授かるためにいろいろなお祈りをしました。そして、夫と一緒に今回のロケ地となった烏竹軒にも来たことがあるんです。大きな木にコインを載せて「いい子を授かりますように」とお願いしました。もちろん『師任堂(サイムダン)、色の日記』の出演が決まるどころか、子どもが生まれる前の話ですが、そんな経験もありました。先日、再び夫と子どもと一緒に烏竹軒を訪れて願をかけた場所に行き、お祈りをしました。出演を決める前のそんなエピソードが繋がっているような気がしました。

>本作は事前制作で撮影されましたよね。
記事には「9時で仕事を切り上げる」と誇張されて書かれたりしていますが、実際はそうではありません(笑)。でも、事前撮影をしている理由には、以前のような撮影スケジュールでは大変なので、余裕を持って撮影できるように、母親としての役割も十分果たすことができるように、という配慮もあるんです。本作が成功して制作環境も改善され、多くの作品ができればいいなと願っています。


>最後に本作の見どころを教えてください。
先ほども申し上げたように、本作を選んだ理由は、女性の人生を考えたかったからです。結婚して母親になった女性は、母として妻として、そして自分自身の人生をどのように生きていくべきか。結婚してからそんなことをよく考えるようになりました。サイムダンを演じて自分の力を発揮しながら、子どもを育て、家庭を築いていこうと努力しています。イ・ヨンエとしての人生を他の人にも分け与えることを望み、母親と家庭も両立していきたいと思っています。それは簡単なことではありません。『師任堂(サイムダン)、色の日記』を通じて葛藤やすべての人が理想として夢みる女性像を描いてみたいと思っています。